2012年、35のIaaSを比較して話題を呼んだ記事がパワーアップして帰ってきた! 2013年版はスコアリングによるランキングや散布図を用い、NIST定義やサービス成熟度の観点から62のIaaSを比較する。
2012年は報道されたニュースだけ挙げても、ファーストサーバのデータ喪失(関連記事:バックアップは誰の責任? ファーストサーバ事件が残した教訓)や富士通館林データセンターの電源障害、Amazon EC2北バージニアでのELBサービス障害など、今後の教訓となる障害が多く発生した。2013年に入ってからも2月にeASPNet Taiwan運営のデータセンターで、火災が原因の障害が起こり、コロケーションしていたNTTコミュニケーションズやそのNTTコミュニケーションズからスペースを借りていたGMOクラウドがサービス障害に見舞われた。毎度おなじみの繰り返しで申し訳ないが、絶対に障害が起きないサービスはあり得ない。クラウドファーストが当然とされつつある現在、相互運用性と運用弾力性(レジリエンス)をシステムデザインに組み込み、障害発生時に他の正常な資源プールや他のサービスに迅速に代替システムを立ち上げられる体制を整備することが、高可用性確保の方法として重要になっていることを利用者はよく認識してほしい。
筆者はこれまで、クラウドガバナンス現在進行形の第1章、第2章を通してさまざまな角度からクラウド、ことにIaaS(Infrastructure as a Service)について検討してきた。2011年9月に、クラウドガバナンス現在進行形の第1回で38サービスを簡単に比較し(参照:“オレオレクラウド”にはこりごり、クラウドの本質を知る)、2012年8月には【比較編・2012年夏】として35のIaaSについて、それまでに連載してきたクラウドに関するさまざまな特徴や条件を整理して本格的に比較した(参照:【徹底比較】安心・安全なクラウドはどれだ? 35のIaaSを比較)。今回は、2012年8月掲載の比較編の収録規模を倍増して62のIaaSを比較した。また、今回は比較結果を点数化して事業母体の業種分類を付け加えた。なかなか興味深い結果となったので概要を併せて掲載する。誌面の都合上、IaaS比較表はダウンロードして閲覧いただきたい。
今回調査ではIaaSとして紹介されている86サービスをリストし、全サービスをチェックしてIaaS定義に該当しない24サービス(一部既に廃止されていたサービスもあった)を除外し、62のサービスを調査対象とした。サービス提供事業母体は以下の8業態だった。グラフは調査対象となったサービス数を基にして作成しているが、同一事業者が複数サービスを提供しているケースが2件あるため事業者数は60となる。
調査対象となった62サービスをサービス分類基準に基づいて振り分けた結果はハイブリッドクラウド11、クラウド4、セルフサービスホスティング26、マネージドホスティング21となった。
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