クラウドベンダーが出そろい各社の競争が続く。そんな中、ややスロースターターであるMicrosoftがAWSを意識した数々の施策を打ち出している。Windows Azureの2013年7月以降の機能アップデート、パートナー施策などを紹介する。
2010年にPaaSとして登場したWindows Azure。その後、2012年から2013年にかけてIaaSサービス、仮想ネットワーク(VPN接続)、Hadoop環境を提供するなど、「Amazon Web Services」(AWS)を意識したさまざまな強化が施されている。中でも特筆すべきは、オープンソースソフトウェア(OSS)や他社テクノロジーへの対応だ。これはこれまでの同社の常識を考えると、あり得ない決断だ。
Microsoftは2012年4月にOSSに関する活動を行うための子会社「Microsoft Open Technologies」を設立し、OSSコミュニティーへの参加とOSSによるテクノロジーの開発に積極的に取り組んでいる。また、2012年6月にはWindows Azure上で各種LinuxやOSSプログラミング言語・開発環境、データベースのサポートを開始した。
他社製品への対応として、代表的なところでは、これまで「Microsoft SQL Server」の競合として長年ライバル関係にあったOracleとのパートナーシップが挙げられる。これによって、「Windows Azure Infrastructure Services」のイメージギャラリーに「Oracle Database」「Java」「Oracle WebLogic Server」「Oracle Linux」が並ぶようになった。
先を行くAWSがマーケットシェアを広げる中、Windows Azureも自社製品縛りを止めて戦う覚悟だ。日本マイクロソフト 田中 隆三郎氏は「クラウドには既存の概念を破壊する威力がある。昨日の敵は今日の味方、まるで“クラウド戦国時代”の様相だ。ユーザーにとっては、選択肢の増加や価格競争の激化など、良いことが起こっていると思う」と述べた。
本稿では、2014年1月28日に日本マイクロソフトが主催したセミナー「エンタープライズ企業のためのWindows Azure活用 早わかり講座」の中から、Windows Azureにおける2013年7月以降のアップデートを中心に紹介する。
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