ネックになるのは“アプリケーション”
「Windowsを卒業したい」と考えるユーザーの気持ちをなえさせる現実的な課題
Windowsを捨てるべき理由として、このOSの衰退が声高に叫ばれる。が、だからといって、今利用しているOSとアプリケーションを管理するための新しい方法を探すことを先送りにしていい訳ではない。
こんなジョークを耳にしたことがあるだろうか。核戦争を生き延びるものが3つある。ゴキブリとTwinkie(※)とWindowsだ。
※Twinkie(トゥインキー) アメリカの国民的お菓子。1930年に量産開始。2012年に製造会社が破産し販売も終了したが、2013年に別会社の下で復活。
Windowsのくだりは聞いたことがない? ならば、今ここで加えておくべきだ。何しろ、Windowsは当面、この世から消えてしまうことはないからである。
筆者は数カ月前、少なくとも2020年の1月までは、銃を突き付けられてWindowsの世界から追い出されることはないだろうと書いた。しかし、幾つかの市場データから、その日付はさらに大幅に先延ばしになる可能性が出てきた。
Windows利用の減少率は年率1%以下
Windows利用の低下を示す各種の指標から、早急にアプリケーションをクラウドへ移行するか、あるいは契約ベンダーにもよるが、デスクトップをデータセンターに移行しなければ、時代の大勢に後れを取ってしまうと懸念する声が広がっている。もちろん、それらの多くはマーケティングがらみのものなのだが、注目すべき真実もある。
Windowsデバイスと現在利用している他のデバイスを比較してみれば、Windowsの利用が減ってきていることは確かだ。10年前、われわれの周囲にはデスクトップとラップトップしかなく、それらのほとんど全てがWindowsベースだった。当時存在した10億台のデバイスのうち、およそ95%、すなわち9億5000万台でWindowsが稼働していた。
今日、そこにスマートフォンとタブレットが加わり、デバイスの数はかつてないほど増加した。正確にいうと、その中には気象観測機器や警報機、冷蔵庫なども含まれているのだが、高く見積もって、ほぼ100億台のデバイスが現在稼働している。それでも実際、Windowsは10年前より多く利用されている。各種の推計によると、Windowsデバイスの数は現在、15億台から20億台とみられている。だが、世の中に存在するデバイスの数が増えた結果、Windowsが稼働するデバイスの比率は大きく下がった。
Windowsが相対的に後退した証拠としては、他のオペレーティングシステムの台頭が挙げられるが、市場規模を考えれば、ちまたで伝えられるほどWindowsが追い詰められた状態にあるわけではない。
もちろん、だからといって、Windowsが安泰であるともいえない。Windowsの利用は少しずつではあるが、確実に低下しているからだ。もっとも、Windows利用の減少率は2009年のWindows 7のリリース以来、年率1%以下にすぎない。Windowsが使われ続ける理由は、アプリケーションにある。Windowsが好きでも嫌いでも、アプリケーションは必要だ。アプリケーションがWindowsから完全に移行できるようになるまで、われわれはWindowsを利用し続けるだろう。
そうであるならば、われわれはWindowsを管理する新しい、より良い方法を見つける必要がある。多くの人々は、重大な意思決定を下す前に、一歩引いて「ポストPC時代」の到来を様子見している状況だが、それはナンセンスだ。エンドユーザーやアプリケーションを管理する能力を高めるためのプロジェクトを遅らせる理由はない。デスクトップの仮想化やユーザー環境の仮想化、そしてアプリケーションの仮想化が当面の課題だ。そうしておけば、後々、移行作業がずっと容易になる。今日、物理デスクトップがあったとしても、明日はデータセンターでデスクトップをホストすることになる可能性がある。将来的には、そうしたデスクトップやアプリケーションは全てクラウドへ移行することになるかもしれないのだ。
死と税金を別にすれば、今後絶対に避けられないものは2つしかない。Windowsの存続とその管理である。
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