デスクトップ仮想化のススメ
Windows XPを捨てられない企業が知りたがる“とっておき”の裏技
Windows XPのサポート終了は、直前になって大騒ぎになったが、今も多くの企業がXPを使っている。仮想化で、セキュリティやハードウェア互換性の問題を回避しつつ運用できるという考えもある。
一般的に、「Windows XP」のようなサポートされていないツールや製品を使うのは、ルール違反とされている。だが、同OSの引退を前に新しいOS環境が模索された理由はそれだけではない。Windows XPのサポート終了は、セキュリティの低下と、ハードウェア互換性問題の増大を意味したからだ。
しかし、ビジネス上の理由からWindows XPがまだ必要で、無理に新しいOSへ移行したくないと考える企業は少なくない。企業によっては、仮想化によってこうした事態を乗り越えようとするかもしれない。Windows XPは、少なくとも仮想化した方がそのまま使うよりも安全である。
仮想化なら解決できるWindows XPのあの問題
Windows XPはもう正式にはサポートされていない。だが、多くの企業がビジネス上の理由で使い続けている。物理環境であればWindows XPユーザーが直面するであろうセキュリティやハードウェア互換性の問題の一部を、仮想環境が効果的に防いでくれるおかげだ。
もともとWindows XPの安全性が高いという評価は全く聞いたことがない。同OSは常にマルウェアに感染しやすく、そのために多くの企業がサードパーティー製のウイルス対策ソフトウェアを導入した。サポート終了に伴い、Windows XPのセキュリティパッチはリリースされなくなっており、サードパーティーもWindows XP用の製品には時間もお金も掛けなくなる見通しだ。
しかし、仮想デスクトップインフラ(VDI)に移行すれば、Windows XPでサードパーティーツールを利用する場合よりも高度なマルウェア保護を実現できる。仮想デスクトップは、物理デスクトップよりも厳密な制御が可能であり、各ユーザーセッションの終了後にクライアント端末をまっさらな状態にリセットできる。つまり、ユーザーが自分の仮想デスクトップにマルウェアをダウンロードしても、そのセッションの終了時には自動的に削除されるということだ。
Windows XPのサポート終了に伴って企業が対処しなければならないもう1つの大きな問題が、ハードウェア互換性だ。多くのPCメーカーは、次世代ハードウェアのWindows XP版ドライバを作らないはずだ。一方、VDIでは一般的に、Windows XPをうまく動作させることができ、ドライバの問題はなくなる。このため、VDIでは、Windows XPを次世代ハードウェアで実行でき、Windows XPを効果的に延命できる。
Windows XPを使い続ける理由として、コストが挙げられることもある。新しいOSにアップグレードすれば、そのライセンス取得に関連するコストだけでなく、結局ハードウェアコストも掛かることになりがちだ。Windows XPは、コンピュータハードウェアが今よりもはるかに非力だった当時に作られたため、新しいOSよりもハードウェア要件が格段に低い。このことは一方で、VDIサーバがWindows 7/8のセッションよりも多くのWindows XPセッションをホストできることも意味する。
移行するべきか、やめておくべきか、それが問題だ
もちろん、予算が許せば、新しいOSにアップデートすることが望ましい。Windowsの世界では、それはWindows 7かWindows 8に移行するということだ。だが、既にVDIを運用している場合は、新しいデスクトップOSが自社のVDI環境およびアプリケーションセットとともに使えることを確認することが重要だ。
Windows XPから移行するための選択肢として特に普及したのが、Windows 7の「Windows XPモード」機能だ。この機能は、Windows XPのフルライセンスコピーを仮想マシンで実行し、Windows XPやそのアプリケーションをWindows 7のデスクトップで表示する仕組みだ。
米Microsoftはこの機能を、顧客にWindows XPからWindows 7への移行を促す方法として導入したが、この機能はもう正式にはサポートされていない。MicrosoftはWindows XPのサポート終了に合わせて、Windows 7でのWindows XPモードのサポートも打ち切った。また、Windows XPモードは一般的に、仮想環境では動作しない。この機能はMicrosoftの仮想化ソフトウェア「Windows Virtual PC」をベースにしている。ただし、Microsoft Virtual PCはハードウェアによる仮想化支援機能が必要である。ほとんどのVDI製品は、仮想環境にもう1つの仮想環境を構築する「ネストされた仮想化」をサポートしていない。
新しいOSは優れたセキュリティと新機能を提供するが、より多くのハードウェアリソースを消費し、初期コストも高い。これに対し、Windows XPは枯れたOSであり、VDI環境できちんと動作するようだ。あなたの会社にWindows XPを使い続けなければならない理由があるのなら、仮想化がその役に立つかもしれない。
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