コンシューマライゼーションの高まりを背景に、Apple製品の企業導入が進んでいる。だがAppleは企業ITのサポートに消極的であり、課題も多い。
米Appleの製品は、その人気から企業が導入するケースが増えている。同社がコンシューマー市場に重点を置いているにもかかわらず「iPad」「iPhone」「MacBook Air」は今や業務にも使用されている。
本記事は、プレミアムコンテンツ「Computer Weekly日本語版 9月3日号」(PDF)掲載記事の抄訳版です。本記事の全文は、同プレミアムコンテンツで読むことができます。
なお、同コンテンツのEPUB版およびKindle(MOBI)版も提供しています。
同社は2001年、革新的な音楽プレーヤー「iPod」でガジェット市場に衝撃を与えた。それ以前は、「Macintosh Classic」や初代「iMac」などによって「幾分洗練されたPCの代替品」のブランドと見なされていた。
しかし、2014年4月の同社発表によると、同年1~3月期に456億ドルにも上る収益を得ており、その半分以上が4370万台にも及ぶiPhoneの売り上げだという。アナリスト企業の米Gartnerによると、同社は2013年のスマートフォン市場で15.6%のシェアを獲得している。これは韓国Samsungに次ぐ数字だ。
同社は最近になって、やっと企業向けのIT機能を製品に追加し始めた。「iOS 7」のセキュリティ拡張機能「iCloudキーチェーン」などがその例だ。
モバイルデバイスの人気は衰えることを知らない。英Juniper Researchは、BYOD(私物端末の業務利用)戦略の一環として使用されるデバイスの数が2018年までに全世界で10億台以上になると予測する。大変好調なAppleの業績から、コンシューマーが家庭と職場の両方で同社製品を購入していることが見て取れる。従業員による私物端末の使用を組織が許せば、コンシューマーは企業で許可されるものを選ぼうとし、より慎重にスマートフォンを購入するようになる。
最近発表された米Dimensional Researchのリポートによると、60%の企業が100台超のAppleデバイスを採用しているという。また、ユーザーの78%がAppleデバイスを使用する理由について「他のデバイスよりも好きだから」と答えている。
アナリスト企業の英Freeform Dynamicsで調査責任者を務めるデール・ビル氏によると、組織の部門や従業員はCOPE(Corporate Owned, Personally Enabled:業務端末の個人使用)構想の下、職場でAppleデバイスを使用することを希望している。だが、Appleデバイスが好まれる理由は必ずしもパフォーマンスではなく、むしろほとんどはデバイスのデザインであると同氏は話す。
「営業やコンサルタントなど顧客と接する従業員は、そのイメージを理由にApple製品を推奨することが多い。彼らは、見た目や感じが良いからだという」
「Mac」は、1980年代半ばから米Microsoftの「Windows」PCの代替品として使用されてきた。だが広く使用されていたのはApple特有のソフトウェアを必要とする特定の部署やある種の組織(出版、ビデオ制作、クリエイティブ産業など)に限られていた。
ITのコンシューマライゼーションによって、企業におけるiPadやiPhoneの採用が増加しているのは容易に想像できるが、Macも返り咲きを果たしている。モバイルデバイス管理(MDM)プロバイダーの米MobileIronによると、企業でiPhoneやiPadが受け入れられる傾向が増えているだけでなく、Macのサポートを求める声も大きくなっているという。
モバイルデバイス管理では、(iOS、米Googleの「Android」、Windowsなど)OSに関わらず、モバイルデバイスのセキュリティが確保される。だが、IT部門はAppleデバイスの採用に慎重だ。その主な理由の1つは、彼らがAppleデバイスをサポートした経験が少ないことにある。
本記事は抄訳版です。全文は、以下でダウンロード(無料)できます。
■Computer Weekly日本語版 最近のバックナンバー
Computer Weekly日本語版 8月20日号:Windows 9は必要なのか?
Computer Weekly日本語版 8月6日号:RAIDはもういらない
Computer Weekly日本語版 7月16日号:Windows 8をめぐる中国 vs. Microsoft
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
リモート接続におけるITサポートチームは、安定稼働が大きな使命の1つだが、近年はシステムの複雑化に伴い、ITオペレーションの負担が増大している。本資料では、AIを活用してITオペレーションの効率を大きく改善する方法を紹介する。
昨今、多くの企業が業務にリモートアクセスを取り入れているが、リモート接続ツールの導入には、専門知識が求められる。また初期設定や運用設計などを自社で行う場合、最適化されていないケースも多い。どのように解消すればよいのか。
スマートフォンの進化により、「ノートPCとの2台持ち」の必要性は薄れつつある。スマートフォンをノートPCとして使うための便利な方法を解説する。
テレワークの普及に伴い、スムーズな仕事を実現するだけではなく、ギークの知的好奇心さえも満たすガジェットが充実している。ギークが他のギークに“激推し”したくなるガジェットを紹介しよう。
AI(人工知能)技術の活用が広がる中で、スマートフォンの利用はどう変わろうとしているのか。Samsung Electronicsが発表したスマートフォン新シリーズ「Galaxy S24」を例にして、“AIスマホ”の特徴を紹介する。
いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。
「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...