次世代データセンターのためのプロセッサ選定Computer Weekly製品導入ガイド

次にデータセンターを刷新する際は、代替チップアーキテクチャを取り入れる必要がある。その理由について解説する。

2015年03月27日 08時00分 公開
[Cliff Saran,Computer Weekly]
Computer Weekly

 リソースが動的に割り当てられるデータセンターアーキテクチャを想像してみてほしい。そのようなオーケストレーションが10年以内に現実になるかもしれない。

Computer Weekly日本語版 3月18日号無料ダウンロード

なお、同コンテンツのEPUB版およびKindle(MOBI)版も提供しています。


 現在、サーバは大抵がIntel Xeonを搭載していて、汎用ワークロード向けに最適化されている。Gartnerがまとめた欧州の2014年4~6月期のサーバ出荷統計によると、x86サーバの売り上げが12.7%増えた一方、RISC/Itanium搭載のUNIXサーバの売り上げは23.6%減った。「Xeon技術の開発スピードのおかげで、Xeonはどんな用途にも非常に優れている」とGartnerのアナリスト、エロル・レシット氏は解説する。

 だが、未来のワークロードがどんな様相になるかは誰にも予測できない。Xeonの現状はいずれ、まだ性能が考慮されていない新しいワークロードによって揺さぶられるとレシット氏は予想する。

消費電力が促す新しい設計基準

 ここ数年の最大級の投資分野は低消費電力のサーバベースコンピューティング開発だった。ノートPC向けのAtomベースプロセッサやスマートフォンに採用されているARMプロセッサは、サーバ用のXeonプロセッサに比べて消費電力が大幅に低減されている。

 Gartnerの予想では、2017年までにx86サーバ市場の4%は極端な低消費電力サーバにシフトする見通しだ。ただしARMやAtomを搭載したサーバは汎用マシンではなく、従ってXeonの代替としては使えない。

 低消費電力サーバのアーキテクチャは、特定のワークロードで役に立つ。メモリ、演算性能、I/Oのバランスを取ることで、ビッグデータ、Web、スーパーコンピューティングといった演算的には単純なタスクに最適化させる。こうしたシステムではアプリケーションを個々のタスク用に分割でき、数百もの低消費電力プロセッサで構成される超並列ハードウェア上で同時に実行できる。

 スーパーコンピュータの「Sequoia IBM Blue Gene/Q」(世界上位500台のランキングで3位の性能)のようなマシンでさえも、ベースとなっている演算性能は控えめだ。各ノードは1.6GHzで稼働する16コアのPowerPC A2プロセッサと16GバイトのDDR3メモリで構成される。結果的に、比較的少ない消費電力で高い性能を達成できる。

 Hewlett-Packard(HP)のメグ・ウィットマン最高経営責任者(CEO)は、コモディティサーバ市場で差別化を図る存在として同社の低消費電力サーバ「Moonshot」に大きな期待を寄せる。MoonshotはIntel AtomとAMD Opteronシステムオンチップ(SoC)プロセッサを搭載し、デスクトップ仮想化とWebコンテンツ配信アプリケーションに最適化されている。同サーバはWindows Server 2012 R2やRed Hat Enterprise Linux、Ubuntu、SUSE Linuxに対応する。

 一方、メーカー各社はARM64 SoC搭載のサーバも投入し始めている。そうしたサーバではARM専用の開発環境とLinuxディストリビューションが必要だ。ARM搭載サーバのソフトウェア標準化は主にLenaroが推進している。LinuxディストリビューションのUbuntuとRed Hat Enterprise LinuxはARMサーバアーキテクチャに対応している。

ARM64マイクロサーバ

 AMDサーバ部門の製品マーケティング担当副社長、カール・フロイント氏は、ARMベースのアーキテクチャは多大な関心を集めているが、これは少なくとも半年先の技術だと指摘する。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

隴�スー騾ケツ€郢晏ク厥。郢ァ�、郢晏現�ス郢晢スシ郢昜サ」�ス

プレミアムコンテンツ アイティメディア株式会社

「SATA接続HDD」が変わらず愛される理由とは

HDDの容量が30TB超になると同時に、ストレージ技術はさまざまな進化を続けている。そうした中でもインタフェースに「SATA」(Serial ATA)を採用したHDDが変わらずに使われ続けている。なぜなのか。

事例 INFINIDAT JAPAN合同会社

IOPSが5倍に向上&コストも80%削減、エクシングが選んだ大容量ストレージとは

カラオケ業界が直面するデータ増に対応すべく多くのストレージを試し続けた結果、4社27台の製品のメンテナンスに悩まされていたエクシング。この問題を解消すべく、同社は大容量かつコスト削減効果に優れた、新たなストレージを導入した。

製品資料 プリサイスリー・ソフトウェア株式会社

データソート性能向上でここまで変わる、メインフレームのシステム効率アップ術

メインフレームにおけるデータソート処理は、システム効率に大きく影響する。そこで、z/OSシステムおよびIBM Zメインフレーム上で稼働する、高パフォーマンスのソート/コピー/結合ソリューションを紹介する。

事例 INFINIDAT JAPAN合同会社

従来ストレージの約8倍の容量を確保、エルテックスが採用したストレージとは

ECと通販システムを統合したパッケージの開発と導入を事業の柱とするエルテックスでは、事業の成長に伴いデータの容量を拡大する必要に迫られていた。そこでストレージを刷新してコスト削減や可用性の向上などさまざまな成果を得たという。

市場調査・トレンド プリサイスリー・ソフトウェア株式会社

クラウド統合を見据えたメインフレームのモダナイズ、3つの手法はどれが最適?

長年にわたり強力かつ安全な基盤であり続けてきたメインフレームシステム。しかし今では、クラウド戦略におけるボトルネックとなりつつある。ボトルネックの解消に向け、メインフレームを段階的にモダナイズするアプローチを解説する。

郢晏生ホヲ郢敖€郢晢スシ郢ァ�ウ郢晢スウ郢晢ソスホヲ郢晢ソスPR

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

次世代データセンターのためのプロセッサ選定:Computer Weekly製品導入ガイド - TechTargetジャパン サーバ&ストレージ 隴�スー騾ケツ€髫ェ蛟�スコ�ス

TechTarget郢ァ�ク郢晢ス」郢昜サ」ホヲ 隴�スー騾ケツ€髫ェ蛟�スコ�ス

ITmedia マーケティング新着記事

news014.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news046.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news026.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...