準備が問題の大半を占めるネットワーク移行
次世代ネットワークに安全移行、失敗をしない3つのアプローチ(1/2 ページ)
既存のネットワークインフラを次世代ネットワークに移行する場合、変更に伴うリスクの大きさを考えなければいけない。そのリスクを考慮した移行の方法を紹介する。
旅行については「準備も楽しみのうち」といわれるものだが、ネットワーク移行の場合、準備が問題の大半を占めている。
次世代ネットワークを広範囲にわたって急速に起こっている革命と見なすのは興味深い。革命には心が躍るかもしれない。だが、既存のネットワークインフラの計り知れない価値やテクノロジーの大幅な変更に伴うリスクの大きさを考えると、従来のソフトウェアとハードウェアを全てアップグレードする「フォークリフトアップグレード」は、現実的な選択肢ではない。未来へと進むために小さなステップを踏まなくてはならないのは確かだが、「どのように」ステップを踏むかが問題だ。そこで、次世代ネットワークへの移行を組み立てる主な方法として「階層型」「地理型」「サービス指向型」の3つを見てみよう。
階層型のネットワーク移行アプローチ
テクノロジーの観点からいうと、ネットワークインフラとネットワーク運用を近代化するのに論理的なアプローチは「階層型」だ。歴史あるネットワーク構造「OSI参照モデル」によると、サービスネットワークの構成は、第1層が物理層(光学)、第2層がキャリアイーサネットを含むデータリンク層、そして第3層がネットワーク層と定義されている。通信事業者は、第4層のトランスポート層と接続層の観点からネットワークを捉えるのが一般的だ。
ネットワークを近代化する場合、階層の上位と下位のどちらから着手すべきかが問題になる。
光学データリンク機器の使命は1つ、「トラフィックを信頼できる方法で運ぶ」ことである。市場の要件の変化によって廃れることがないので、基本的に設置寿命はかなり長い。その一方、モバイルインフラ含む多くのネットワークは、伝送能力を強化するために定期的に光伝送装置が追加されている。テクノロジーの変更を検討すべきは、このような追加で導入されている各部分だ。下位層がユーザーに実際にサービスを提供するわけではないため、テクノロジーの違いがサービス自体に影響を及ぼすことはない。
また、通信事業者にとって、下位層が運用コストに占める割合はかなり少ない。通信事業者は接続やサービスではなく、集約トラフィックに重点を置いているからだ。実のところ通信事業者が運用プロセスにかけるコストは、資本設備にかけるコストより大きい。ネットワーク運用コストのほとんどはサービスに関連しており、それはOSI参照モデルの上位層にあたる。そのため、次世代ネットワークを導入する目的が運用コストの削減であれば、ユーザーの目に触れることが多い上位層から着手するのが適切だろう。
階層型の移行モデルを選ぶ意味は本当にあるのかと思われるかもしれないが、それは場合によって異なる。下位層からの移行も上位層からの移行も、それぞれ最適な状況はあるが、明確に断言することはできない。
地理型のネットワーク移行アプローチ
次世代ネットワークへの移行は地理ごとにすることも可能だ。サービスの使用は全ての市場で一律ではない。特定の国や市場でも場所によって大きな違いがある。需要の高い地域では、通信事業者は高い収益を得られるが、テクノロジーの変更や増強もより強く求められる。そのような地域は、進化するべきインフラも多いので、新しいテクノロジーを導入すると設備投資や運用コストの大半が変わることになる。
管理センターは地域ごとに設置される傾向にあり、運用サポート担当者もしかりだ。各種管理システムとサポートシステムの使用を運用担当者に求めたり、そのような状況でトラブルシューティングをしたりするのは難しい。そのため、近代化する地域を絞り、設備面と運用面を同時に変更するのが賢いやり方だろう。
ただし、このアプローチには問題点がある。それは、特にビジネスサービスの提供範囲が多くの地域に及んでいることだ。この状況は、顧客の一部のサイトは以前のテクノロジーで、その他のサイトは次世代ネットワークテクノロジーでサービスを受けるというリスクが生じる。インフラを均一にできないと、顧客がサイトによって受けるサービスがまちまちだったり、共通の顧客管理手法を使えなかったりする場合がある。このため、少なくともマルチサイトのビジネスサービスは、地理型のアプローチを採用するのは難しい。
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