「VPN」の仕組みやメリット、課題とは?

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VPNとは? 仕組みと利用目的を解説

 「VPN」(仮想プライベートネットワーク)は、安全なデータ伝送を実現するための技術だ。主要なVPNには、回線にインターネットを利用する「インターネットVPN」と、通信事業者の閉域網を利用する「IP-VPN」に大別できる。より身近なインターネットVPNは、パブリックネットワークであるインターネットでやりとりするデータの保護に利用する。(続きはページの末尾にあります)

VPN関連の技術解説

「VPNにつなげば安全」とは限らない? むしろ危ないケースとは

モバイルVPNには移動中でも接続が途切れにくいといった利点があるが、そもそもVPNに潜んでいるリスクには注意しなければならない。利用を検討する際に押さえておくべき注意点とは。

(2025/9/12)

なぜテレワークでは「普通のVPN」より「モバイルVPN」が役立つのか?

テレワークや外出先で業務をする際の安全性を確保するVPN。その一種である「モバイルVPN」は、ネットワークの切り替え時でも接続を維持できるのが特徴だ。

(2025/8/29)

テレワークに強い「モバイルVPN」とは? “普通のVPN”と何が違う?

テレワークや外出先でのネットワーク利用に欠かせない「VPN」。だが、ネットワークが切り替わると接続が途切れ、作業に支障をきたすこともある。そこで役立つ可能性があるのが「モバイルVPN」だ。

(2025/8/22)

VPNを使うなら「IPsec」と「SSL」のどちらを選ぶべき?

セキュアな通信を実現するVPN技術において、プロトコルの選択は重要だ。代表的なVPNプロトコルであるIPsecとSSLのどちらを選べばいいのか。

(2025/6/24)

「IPsec-VPN」と「SSL-VPN」の違いは? 仕組みからデメリットまで徹底解説

リモートアクセスや拠点間通信の安全性を高めるVPNのプロトコルには、IPsecとSSLという2つの主要な仕組みがある。両者の違いを詳しく見ていこう。

(2025/6/17)

いまさら聞けない「リモートアクセスVPN」と「拠点間VPN」の違い

通信の安全性を高める技術であるVPNには、その利用形態に応じて、主に「リモートアクセスVPN」と「拠点間VPN」の2種類がある。両者の特徴や違いについて解説する。

(2025/6/10)

いまさら聞けないVPNの「IPsec」と「SSL」とは何か?

VPNは従業員が安全に働くためになくてはならない通信技術であり、いまだにリモートアクセス技術の主流だ。VPNの主要プロトコルであるIPsecとSSLの基本を確認しよう。

(2025/6/3)

「VPN」をやめて「SDP」や「SASE」に移行すべき4つの条件

ネットワークの複雑化やテレワークの普及などを理由に、VPN(仮想プライベートネットワーク)に限界が見え始めている。VPNからの移行を検討すべき企業の特徴とは。

(2025/2/5)

なぜVPNは「もはや時代遅れ」なのか?

VPN(仮想プライベートネットワーク)はセキュリティの観点から、安全なツールとは言い切れない。VPNにはどのようなリスクがあるのか。

(2025/1/22)

「VPNプロトコル」5種のこれだけの違い

テレワークによってより身近な存在になった「VPN」(仮想プライベートネットワーク)。その役割や要素技術を正しく理解できているだろうか。登場の背景を振り返りつつ、VPNを基礎から学び直そう。

(2024/12/12)

「VPNって何?」を基礎から解説 仕組みからユースケースまで

さまざまな種類のネットワークの特徴を理解することで、適切なネットワークの設計や構成につながる。「VPN」について基礎から理解を深めよう。

(2024/12/12)

「VPNプロトコル」5種の違い あの定番から“高速VPN”の新技術まで

VPNにはさまざまな種類がある。定番であるL2TP/IPsecやOpenVPNから、かつて広く使われていたPPTP、そしてこれらを超えるべく生み出された新しいVPNまで紹介する。

(2024/3/6)

いまさら聞けない「VPN」の基礎知識 暗号化が必要になった理由は?

リモートアクセスを安全にする手段としてVPNは広く普及している。そもそもVPNはどのような技術で、どのような利点があるのか。

(2024/2/28)

“VPNの完全代替”がZTNAでもSASEでもない理由

根強く使われてきたVPNは、代替の技術や仕組みが登場したことで今後どうなるのか。これは企業のシステム利用を左右する大きな問題だ。

(2023/1/27)

「VPN」は生き残らない? 「ZTNA」「SDP」とは何が違うのか

VPNの遅延やセキュリティの問題は、テレワークが拡大したことで表面化した。代替の技術が登場する中で、VPNはその役割を終えるのか。

(2023/1/20)

「脱VPN」が進む理由、進まない理由 “分かれ目”の判断は

VPNは、もはやリモートアクセスの“一強”ではなくなった。とはいえ企業は、テレワークへの移行においてVPNを重宝した。その役割は今後も続くのか、そうではないのか。

(2023/1/13)

“問題だらけのVPN”を企業が捨てる日

企業のテレワーク移行を支えてきたVPN。リモートアクセスの代替技術が登場する中、企業が信頼を寄せてきた“成熟した技術”であるVPNはどうなるのか。

(2023/1/6)

VPNが“枯れ果てる日”は来るのか 生き残る確率は?

VPNは枯れた技術でありながら、テレワークが広がる中でリモートアクセスの手段として活躍した。代替技術が台頭しつつある中で、VPNが使われなくなるという話は本当なのか。

(2022/12/26)

「テレワークで印刷できない」を解消する「クラウドプリント」とは何か?

テレワークで印刷が必要になった場合、クラウドプリントサービスでリモートプリントの仕組みを容易に利用することができる。具体的なメリットや注意点を見てみよう。

(2021/8/19)

オフィス外でも印刷できる「リモートプリント」 ただしVPN経由には問題も

テレワーク中心の業務になると、オフィスで従来通りに印刷することができなくなる。その場合の選択肢になるのがリモートプリントだ。どのような印刷の方法があるのか紹介しよう。

(2021/8/12)

インターネットVPNを使うメリット

 インターネットVPNは、インターネットに仮想的なプライベートネットワークを構築し、インターネットで安全にデータを伝送できるようにする。インターネットVPNを使用すると、インターネット通信時のプライバシーを保護できる。

 通信路を暗号化していない公衆無線LANサービスは、通信内容を盗聴する目的で攻撃者に利用されることがある。インターネットサービスプロバイダー(ISP)は、エンドユーザーの個人情報やアクセス履歴を扱っており、プライバシーに関する問題を起こす可能性がある。

 インターネットVPNは、エンドユーザーのWebブラウザの閲覧履歴やIPアドレス、地理的な位置情報、デバイス情報などを、盗聴から保護しながらインターネットでやりとりできるようにする。インターネットVPNユーザーは、プライバシー侵害のリスクから身を守ることができる。

インターネットVPNの主要技術

 主なインターネットVPNの構成技術として、トンネリングプロトコルと暗号化技術が挙げられる。トンネリングプロトコルはデータ伝送のための仮想的な専用回線(トンネル)を構築する。暗号化技術は送信側でパケット(データの伝送単位)を暗号化し、受信側で復号することで伝送中のデータを守る。送信側と受信側のIPアドレスも保護するので、インターネット利用時の匿名性を強化することが可能だ。インターネットVPNを利用する際には一般的に、PCやモバイル端末にインストールするVPNアプリケーションが必要になる。

 Webブラウザのプライベートブラウジング(シークレットモード)とインターネットVPNは、いずれもWebブラウザ利用時のプライバシーを守るために利用できる。ただし両者を混同してはいけない。プライベートブラウジングは暗号化ではなく、個人を特定できるデータが収集されないようにするための、Webブラウザの設定の一つにすぎないからだ。

有害なVPNの見分け方

 VPNはあらゆる企業にとって重要なツールになっている。VPNは機密度の高い企業データの暗号化、セキュリティが確保されたリモートアクセスの提供、公共Wi-Fiのセキュリティ強化、匿名Webブラウズの許可、ジオブロック(訳注:特定地域での利用を禁止すること)の回避など、多くのメリットを提供する。

 だが、適切なVPNを選ぶのは難しい。ところが、幾つか簡単な質問をするだけで最善のVPNを購入できる可能性がある。

 VPNを探すと、多種多様なプロバイダーが参入していることが分かる。VPN市場には未知の企業が多数ある。その企業の製品のレビューを読み、正直な意見を確認することが重要だ。ただし、その製品を支持するレビューは有償で作成されているものも多い。

 レビューを読むだけでなく、VPNを利用することによるリスクを理解することも必要だ。めったにないことだが、ソフトウェアにトラッカーが組み込まれているVPNや、マルウェアに感染するVPNさえある。適切なソリューションを見つける鍵は各プロバイダーを詳しく調べることだ。

 全てのトラフィックはサービスプロバイダーを介してルーティングされる。VPN使用時のプライバシーへの影響に配慮することも重要だ。