サーバ仮想化は、1台のサーバを抽象化し、複数の仮想マシン(VM)にリソースを分割して実行する仕組みを指す。VMは、サーバの台数や識別情報、プロセッサ、OSなどの属性を気にすることなく利用できる。(続きはページの末尾にあります)
BroadcomによるVMwareの買収を受け、仮想化環境の見直しを迫られる中小企業が増えている。そのような中、欧州発のHCIが新たな選択肢として注目されている。
VMware製品のライセンス体系や価格の変更が、ユーザー企業の“脱VMware”の関心を高めている。VMware製品で構築した仮想マシンをオープンソース技術で置き換える動きも進んでいるが、これには課題もある。
仮想マシン(VM)を支える仮想化技術は進化を続け、選べるツールの幅も広がってきた。自社に最適な製品を見極めるために、代表的な仮想化製品の特徴を知っておこう。
「HCI」の調達コストを“自作”で抑制する――。こうした試みは徒労に終わることがある。「構築済みHCI」を購入した方が、むしろ安上がりになることがあるからだ。コストを抑えてHCIを導入するポイントとは。
外部ストレージのデータをDockerのコンテナから利用したいこともある。外部ストレージ利用には賛否両論あるが、それでも利用したい場合はどうすればよいのか。
多くの企業で仮想化基盤として利用されてきたVMware製品だが、近年ではライセンスコストの急騰が大きな課題となっている。この問題を解消する上で注目したいのが、国内での知名度は低いものの導入企業からの評価が高い代替製品だ。
BroadcomによるVMware買収後のライセンス変更で、多くの企業が仮想化基盤の見直しを迫られている。セミナーでの解説を基に、変更点の詳細から「続VMware」「脱VMware」それぞれの選択肢と移行のポイントを整理する。
脱VMwareを考える企業が増えており、選択肢は増えているが、移行先を選び切れていないケースは多い。その理由の一つは、重要なITインフラを一ベンダーに握られる不安だ。ベンダーロックインから逃れられるよい方法はないのか。
ハイパーバイザーにはタイプ1、タイプ2の2種類がある。管理性やパフォーマンス、セキュリティといったさまざまな観点で両タイプの違いを解説する。
仮想化技術を導入する際、押さえておくべき基本の一つになるのが、ハイパーバイザーのタイプ1とタイプ2の違いだ。それぞれの機能や用途の違いを解説する。
依然として多くのインフラで重要な役割を担っている仮想マシンと、クラウドネイティブな技術として台頭してきたコンテナ。両者の違いを明らかにし、どう使い分けるべきかを解説する。
JavaとVMwareという企業システムの2大基盤でライセンス体系が再編され、企業はITコストの見直しに迫られている。こうした中で注目を集めているのが、Javaアプリケーションの移行と再設計による最適化だ。
仮想マシン(VM)のパッチ適用に当たっては、さまざまな注意点がある。パッチ適用によってシステム稼働に影響が出ないようにするには、どうすればいいのか。アドバイスをまとめた。
オンプレミスのVMware製品からAWSへのVMの移行は、複雑な作業を必要とせずに実施できる場合がある。VMのAWS移行にはどのようなメリットがあるのか。考慮すべきデメリットとは。
ネットワーク越しにシステム運用管理を代行するMSPへの期待が高まっている。ただし、すべての要件に合致したサービスを選ぶのは難しい。MSPを適用すべき、あるいはそうすべきでないシステムの見極め方を示す。
Broadcom買収後のVMware価格改定により、多くの企業がコスト増に直面している。この危機的状況で注目される解決策と、クラウドを含む競合ベンダーの戦略を分析する。
永久ライセンスを保有するVMwareユーザー企業に対して、Broadcomが停止命令を送り始めたことを受け、企業はセキュリティパッチを含むサポートを確保するためにどうしたらよいのか。
VMwareの仮想化基盤を見直す動きが広がる中、GartnerのアナリストはVMwareからの移行を検討する企業に対し、計画に今すぐ取りかかる必要があると警鐘を鳴らした。その理由と、候補になる移行方法や移行先とは。
従来は1台のサーバで、1つのアプリケーションを実行するのが一般的だった。そのためアプリケーションによってはサーバのプロセッサコアやメモリ容量などのハードウェアリソースを十分に利用せず、無駄が生じることがあった。リソースの使用率に関係なく、サーバの台数が増えると、維持管理に掛かるコストや必要なスペース、電力消費量が増加することになる。
サーバのリソース使用率を高めるために登場したのが、サーバ仮想化だ。サーバ仮想化ソフトウェアは、アプリケーションとサーバの中間層に、ハイパーバイザーというソフトウェアを追加する。
ハイパーバイザーは、アプリケーションインフラとしてのサーバを抽象化し、複数のVMに分割する。各VMは、独立した個別のサーバとして機能する。サーバ仮想化によって、サーバの利用可能なリソースを全て活用して、複数のアプリケーションを同時に実行できるようになる。その結果、サーバの台数を減らしたり、データセンター設備の維持コストを節約したりできる。
当然ながら、ハイパーバイザーにはライセンスコストが掛かるだけではなく、運用管理が必要になる。こうした負担が、サーバ仮想化のメリットを相殺する可能性がある点に注意が必要だ。
ハイパーバイザーには、Microsoftの「Hyper-V」やVMwareの「ESXi」などがある。ハイパーバイザーは、サーバのプロセッサやメモリ、ストレージなどのリソースを認識し、これらのリソースを呼び出すためのエイリアス(別名)を作成する。例えばCPUはエイリアスの作成によって、複数の仮想CPU(vCPU)と呼ばれるリソースに分割される。ハイパーバイザーはVMの管理を担い、仮想リソースにひも付いたリソースとアプリケーション間のデータのやりとりを担う。
VMに対してハイパーバイザーは、プロセッサコアやメモリ容量、ストレージ容量といった管理下のリソースを割り当てる。VMは、インフラとなるハードウェアや、ハイパーバイザーが作成した他のVMから完全に分離される。つまりVMは、ハイパーバイザーを実行するサーバや、同じリソースを共有する他のVMの影響を受けない。
クラウドやコンテナの誇大宣伝により、サーバ仮想化は終わったと思われているかもしれない。サーバ仮想化市場は成熟し切っていると思われるかもしれない。しかし サーバ仮想化市場は、新たな採用パターンに対応してパブリッククラウドプロバイダーやオープンソースプロジェクトから新しいイノベーションを受け入れている。
クラウド、コンテナ、インフラモダナイズの中で新たに実装されるアプローチを利用してサーバ仮想化も視野を広げ、新鮮な視点で検討しなければならない。サーバ仮想化において注目すべき7つのトレンドを紹介する。
コンテナを早期導入した企業にとって、コンテナ管理機能の有無が重要だった。ただし、コンテナとVMのコンバージェンスが増えるにつれて、既存の運用ツールやプロセスに影響が及ぶ可能性がある。
コンテナ管理への投資は、機能の重複やプロセスのサイロ化というリスクをもたらす。一方、コンテナとVMのコンバージェンスは可視性の向上、API主導の自動化、インフラ管理の標準化といったメリットがある。
ハイパーバイザーをベースとするサーバ仮想化では、機能拡張やインフラ要件のサポート能力が繰り返し実証されてきた。従来型仮想化プロバイダーも新興仮想化プロバイダーも、コンテナとの競争とイノベーションに対応するためにクラウドから着想を得た仮想化インフラを提供している。その例が「VMware vSphere 7」や「Red Hat OpenShift Virtualization」などだ。
コンバージド仮想化インフラは、ハイブリッドインフラソフトウェア、マルチクラウド、分散クラウド、エッジコンピューティング全体の一貫性を高める可能性を秘めている。
パブリッククラウドのIaaSがクラウドホスト型のサーバ仮想化を新たな規模に広げている。クラウドホスト型サーバ仮想化はハイパースケールのIaaSで運用される従来型のデプロイシナリオとは相反するアプローチであり、ハイパーバイザーがクラウドインフラサービスの統合セットの一部としてバンドルされる。
クラウドホスト型サーバ仮想化によって、ハイパースケールのIaaSプロバイダーにまたがって「ユーザー独自のハイパーバイザーを持ち込む/選ぶ」ことが可能になる。「VMware Cloud」や「Nutanix Cloud Platform」などがその例だ。
クラウドホスト型はホスト変更やリファクタリングの可能性がある特定セットのシナリオに適している。事業継続性/高可用性やデータセンター統合など、既存ワークロードの柔軟性とスケーラビリティを向上させるための選択肢を提供する。クラウド移行への入り口としての役割も果たすだろう。
HCI(ハイパーコンバージドインフラ)ソフトウェアはスケールアウトインフラの一形式で、インフラとIT運用の簡素化と標準化を目的に設計される。ハイパーバイザーを組み込み、ソフトウェアベースのストレージ仮想化を段階的に追加して、ネットワーク仮想化を組み込める「ビルディングブロック」方式のアプローチが提供される。ソフトウェアベースであることを前提とすると、HCIソフトウェアによってオンプレミスとオフプレミスにまたがる一貫性のあるハイブリッドソリューションが可能になる。
クラウドホスト型HCIソフトウェアは、クラウドに着想を得たサーバ仮想化と重なり合う部分がある。この傾向はHCIサプライヤーによるコンテナ管理への投資と並行して起きている。どちらも、MicrosoftやIBMなどの新しいソリューションとともに分散クラウドを導入する別のルートを生み出している。
仮想化用のハードウェア支援にはさまざまな形式がある。最近はハイパースケールIaaSプロバイダー用のカスタムハードウェアを通じて進化している。
ハードウェア支援の仮想化によって、既存および新興のさまざまなサーバワークロードをサポートする共有コンピューティングリソースのプールが提供される。AI向けのパフォーマンス向上はニーズが高い。例としては、「AWS Nitro System」をはじめIntel、NVIDIA、Pensandoなどが提供している。
ハードウェアサプライヤーは、クラウド移行に対応するためにサブスクリプションライセンスや使用量ベースの形式でクラウドに似たサービスを導入している。クラウドホスト型も使用量ベースも、将来のインフラ費用を設備投資から運用支出に切り替える能力を向上させる。例として「HPE GreenLake」や「Dell APEX」などがある。