「中身は大企業向け」、フォーティネットがUTMのミッドレンジモデルNEWS

音声アプリケーションのパケット処理時でもスループットが落ちない性能の高さが売りだという。LANセキュリティを管理するためポート数も増やした。

2008年04月23日 18時32分 公開
[堀見誠司,TechTargetジャパン]

 UTMベンダーのフォーティネットジャパンは4月23日、中規模システム向けUTM(統合脅威管理)アプライアンス「FortiGate-310B」を発表した。内部セキュリティ管理に対応するため、性能とポート密度を大幅に向上させたのが特徴。6月中に出荷が開始される予定だ。

画像 FortiGate-310BではLANセグメントの保護機能として、例えばアンチウイルスやアンチスパムの機能をポート単位で有効/無効にするといった設定ができる

 FortiGate-310Bは、同社UTM製品の中ではミッドレンジ機に位置付けられるが、「ネットワークセグメント間を保護する目的で、ゲートウェイだけでなく内部にもファイアウォールを置きたいという需要に応えるため」(マーケティングマネージャの菅原継顕氏)、各部門LANスイッチからのトラフィックを1台に集約可能な、ハイエンド機に匹敵する高密度・高性能のスペックを持たせた。これまでの製品では、LANセグメントごとの脅威対策をするには性能やポート数が足りなかったという。

 同製品は、アンチウイルスやURLフィルタリングなどコンテンツのスキャン処理を実行するASIC(特定用途向けIC)に加え、大規模システム向けモデルにのみ採用されていた、ネットワーク層のスキャンを高速化するファイアウォール/VPN専用ASICを搭載することで、ファイアウォール有効時に8Gbps、VPN有効時に6Gbpsのスループットを実現している。VoIP(Voice over IP)などリアルタイム性の高い通信を行うアプリケーションの、64バイトほどのショートパケット処理時でもスループットが落ちることがない。また、10/100/1000Mbpsイーサネットインタフェースを10ポート搭載してポート密度を高めた上、拡張用のAMC(Advanced Mezzanine Card)スロットにポート拡張/ASIC高速化モジュールを挿せば14ポートに増設できる。その際、ファイアウォールスループットは12Gbpsにアップする。

画像 ファイアウォールのスループット性能比較

 同社によると、価格/ファイアウォールスループット性能比で見ると、1Mbps単位のコストパフォーマンスが同価格帯の競合製品の5〜25倍になるとしている。「性能面で企業システムのボトルネックになっているファイアウォールや他社UTMの置き換え需要を狙いたい」(菅原氏)

 価格は、初年度保守サービスを含めて148万9500円から(単体では133万円)。また、すべてのセキュリティ機能を標準搭載すると192万円となる。

関連ホワイトペーパー

UTM | ファイアウォール | ウイルス | VPN


ITmedia マーケティング新着記事

news047.jpg

SASのCMOが語る マーケティング部門が社内の生成AI活用のけん引役に適している理由
データとアナリティクスの世界で半世紀近くにわたり知見を培ってきたSAS。同社のCMOに、...

news159.jpg

SALES ROBOTICSが「カスタマーサクセス支援サービス」を提供
SALES ROBOTICSは、カスタマーサクセスを実現する新サービスの提供を開始した。

news139.jpg

「Fortnite」を活用  朝日広告社がメタバース空間制作サービスとマーケティング支援を開始
朝日広告社は、人気ゲーム「Fortnite」に新たなゲームメタバース空間を公開した。また、...