SMBもスマートフォンのセキュリティ問題を無視することはもはやできない。最小限のコストで最大限の効果を挙げるにはどうしたらいいのか。
手持ちのスマートフォンにセキュリティ対策を講じているユーザーは3人に1人にとどまることが、F-Secureが最近実施した調査で分かった。にもかかわらず、ほとんどのユーザーはスマートフォンを持ち歩き、仕事のため──特に電子メールや連絡先、タスクの同期──に使っている。この“危険な組み合わせ”により、端末に保存された無防備な企業情報が紛失や盗難の危険にさらされることになる。
予算の縮小とモバイルワークフォースの拡大で、多くの中堅・中小企業(SMB)は身動きが取れなくなっている。もはやこのリスクを無視することはできない。しかし携帯端末管理システムは、予算も問題も規模の大きいエンタープライズ向けだ。これより規模の小さい企業が最小限のコストで最大限の効果を挙げるにはどうしたらいいのか。
アクセス制限は、どんな携帯端末にでも適用できる最も単純な安全措置だ。現代の携帯電話OSはすべて、電源を入れたときの暗証番号またはパスワード入力に対応している。ただ、わざわざそれを有効にしていないユーザーが多いだけだ。1日に何度も、メールをチェックする前にいちいち暗証番号を入力するのはそれだけ手間が掛かる。しかしそうすることにより、なくしたり盗まれたりしたスマートフォンを不正利用されるのを防止でき、生産性を大きく損なわれずに済む。
従業員のスマートフォンをコントロールできない企業であっても、仕事に使うスマートフォンで電源投入時の暗証番号/パスワード入力を義務化するポリシーの導入は可能である。できる限り順守されるよう、一般的なスマートフォンの暗証番号/パスワード設定方法について、分かりやすい説明書を、従業員の関心を引くような理由を付けて配布するといい。例えば、毎年タクシーの中に置き忘れられる携帯電話の数と、それが個人的、職業的にどんな結果をもたらしたかを記載する。
ユーザーの設定頼みにするのは常にリスクが大きい。管理者がスマートフォンに暗証番号/パスワードを掛けられるベーシックなプロセスを検討したいと思う人もいるだろう。例えば設定済みのスマートフォンを従業員に支給する、ユーザーに手持ちのスマートフォンを提出させて電子メールといった会社のサービスのアクセス設定をする、などだ。こうしたやり方は従業員が多い場合は現実的ではないが、比較的規模の小さい企業では効果的かもしれない。可能であれば、例えば端末のIDに基づいてMicrosoft Exchange ActiveSyncへのアクセスを制限するなどの方法で、会社側が設定していない端末からのアクセスを遮断して順守を強制する。
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