Azure利用の「世界分散ストレージサービス」発表、日本MSとNRIセキュアNEWS

日本マイクロソフトとNRIセキュアテクノロジーズは、データの安全性や可用性に配慮したクラウドストレージサービスを発表した。米MicrosoftのPaaSであるAzureを運用する世界6カ所のデータセンターにデータを分散保存する。

2011年10月13日 13時26分 公開
[鳥越武史,TechTargetジャパン]

 日本マイクロソフトとNRIセキュアテクノロジーズは10月12日、クラウドストレージサービスの「世界分散ストレージサービス(仮称)」を、2011年11月上旬に販売開始すると発表した。米Microsoftが保有する世界中のデータセンターにデータを分散配置することで、データの安全性や可用性を高めるという。

 データの保存に、「秘密分散技術」と呼ぶ技術を利用したのが特徴だ。これは、データを複数の断片に分割し、1つの断片からは元のデータが推測できない状態にする技術。さらに1つの断片を複数のデータセンターに保存することにより、仮に1つのデータセンターに障害が起きてもデータを復元できる。

 利用する技術は、NRIセキュアが既に提供しているサービス「SecureCube / Secret Share」と同じである。違いはSecureCube / Secret Shareが、(1)国内データセンターを利用する点、(2)ストレージ領域をユーザー企業間で共有する点(新サービスは企業ごとにストレージ領域を確保)となる。

 データは、米MicrosoftのPaaS(Platform as a Service)である「Windows Azure Platform」を運用する世界6カ所のデータセンターに保存する。エンドユーザーは、PC上に専用のクライアントソフトを導入してサービスを利用する。クライアントソフトのインストーラがPC内に自動作成する専用フォルダにファイルをコピーすると、クライアントソフトがデータを分割し、指定したDCに自動転送する。分割したデータは、Azureのデータセンターに自動保存する。データを保存するデータセンターは、6カ所の中から3カ所以上を選択可能だ。

 サービスの販売はNRIセキュアが担い、3年間で300社の導入を目指す。当面は国内向けに販売するが、「米Microsoftとの連携による海外市場への展開も視野に入れる」(NRIセキュアのイノベーション事業本部長である佐藤 敦氏)。日本マイクロソフトは直接サービスを販売しないが、「Azure上で動作するアプリケーションを開発するベンダーに、データ保存エンジンとして提供することを考えている」(日本マイクロソフトのクラウドプラットフォーム推進部エバンジェリストである野村一行氏)。利用料金は今後詰める。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ITmedia マーケティング新着記事

news129.jpg

「ドメインリスト貸し」は何がマズい? サイトの評判の不正使用について解説
「サイトの評判の不正使用」について理解し、正しい対策が取れるにしましょう。

news046.jpg

代理店にもAIにも「丸投げ」はダメ 成果報酬型マーケティングを成功させるポイントは?
「成果報酬型マーケティング」を実現する上でインターネット広告業界が直面する課題とは...

news186.jpg

YouTubeやTikTokの利用時間、20代以下ではテレビを圧倒 どれだけ差がついた?
YouTubeやTikTokでのコンテンツ視聴は購買行動に関係しているのか。PRIZMAが10代から30代...