日本マイクロソフトは汎用ソフトウェア製品群によって、個別最適化された既存システムでは難しい情報連携の仕組みを提案することで地域医療連携を支援する。
電子カルテの普及に伴い、地域の医療機関同士で診療情報の交換や共有を行う「地域連携医療の実現」に向けた取り組みが進められている(関連記事:医療再生を支援する地域医療連携システム、2020年の市場規模は240億円)。円滑な情報共有を実現するためには、ITを活用したシステム間の連携がカギとなる。本連載では、地域医療連携システムの構築を支援するベンダー各社の取り組みを紹介する(編集部)。
電子カルテや医事会計、検体検査などの医療システムと自社の製品群を連携させ、これまでシステムごとに管理されていた情報に対する最適なアクセスを可能にする仕組みを提供する。これが、多くの汎用ソフトウェア製品群を提供している日本マイクロソフトが描く、地域医療連携の実現に向けたシナリオだ。
具体的には、アプリケーション間のデータ連携を可能にする「Microsoft BizTalk Server」や、情報の蓄積から分析を支援する「Microsoft SQL Server」、各種ポータルサイト構築などのコラボレーション基盤「Microsoft SharePoint Server」などの製品が中核として、同社のパートナー企業と協力し、一次医療圏から三次医療圏までをカバーする仕組みを構築する。また、離島などの遠隔地では同社の「Microsoft Lync」を利用したオンライン会議での情報共有を提案する(関連記事:継続的な地域医療連携を進める上での課題)。
さらに、システム構築の手間と時間を削減するため、事前に幾つかの“ひな型”を用意し、各医療機関が置かれた状況を踏まえて採用する製品を見極める。例えば、手作業でデータベースへの情報入力が十分に行えると判断される場合は、初期導入コストを抑えるためにBizTalk Serverの利用をあえて見送ることもある。
日本マイクロソフトのパブリックセクター ヘルスケア営業部 アカウントエグゼクティブを務める石川智之氏は「この手法であれば、既存の電子カルテなどに縛られることなく、既存の資産を生かしながら地域医療連携のための共通基盤を整備できる。共通基盤上にアプリケーションを構築すれば、医療機関をまたいだ横への展開も支援できる」とそのメリットを強調する。
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