継続的な地域医療連携を進める上での課題地域医療連携ネットワークの現状(3)

各地域で進む地域医療連携。今後それをさらに強固にするためには、行政機関や介護・福祉施設との連携以外にも考慮すべき課題がある。

2011年03月31日 09時00分 公開
[翁長 潤,TechTargetジャパン]

 これまで掲載した「地域医療の問題解決を支援する情報ネットワーク」「災害救急医療体制を最適化する取り組み」に続き、2011年1月の「地域医療福祉情報連携協議会発足シンポウジム」で発表された各地域の地域医療連携の取り組みを紹介する。今回は香川県、島根県、長崎県の事例を取り上げる。

連携の用途が広がる「かがわ遠隔医療ネットワーク(K-MIX)」

 香川県では、香川県と香川大学医学部、香川県医師会などが共同で構築した「かがわ遠隔医療ネットワーク(K-MIX)」が運用されている。2011年1月現在、香川県外の12施設を含む100の医療機関が参画している。

 K-MIXは、香川県の「周産期電子カルテネットワークモデル事業」(1998年)と、経済産業省(当時は通算産業省)の「四国4県電子カルテネットワーク実証実験」(2001年)の2つのネットワークを基にした医療機関の情報連携基盤。診療所や病院などにおける遠隔診断や患者情報の共有、患者紹介などを支援する。遠隔診断では、離島の診療所や病院などからX線写真やCTなどの 画像データを遠隔地にいる専門医へ送信。専門医の助言を受けながら診療したり、患者に説明することなどが可能だ。

 K-MIXは、香川県にある通信事業者「STNet」のデータセンターを中核として、インターネット経由で医療機関同士の情報連携を行っている。保健医療福祉分野で適用される認証基盤「HPKI(Healthcare Public Key Infrastructure)」を活用したネットワーク上の認証や電子署名を実現するなど、そのセキュリティや認証機能を強化している。

 香川大学瀬戸内圏研究センター 特任教授 原 量宏氏によると「構築当時はDICOM画像が中心だったが、J-MIXやHL7 CDAなどの診療文書標準規格の形式で伝送する機能を順次拡張してきた」という。現在では、DICOMやJPEGなどの静止画だけでなく、動画や音声、心電図・脳波などの計測データも伝送可能だ。また、電子カルテ統合型TV会議システム「ドクターコム」を活用したリアルタイムでの情報共有も進められている。

photo かがわ遠隔医療ネットワーク「K-MIX」

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