疑似攻撃で製品機能や性能を分析
セキュリティ製品の“あら”を探す「セキュリティテスト製品」
導入したセキュリティ製品は本当に期待した効果を発揮しているか。ネットワークへの影響はどうか。こうした疑問を解き明かすのが「セキュリティテスト製品」である。
「セキュリティ製品が、導入当初に期待した効果を発揮できているかどうかを把握できているユーザー企業は意外と少ない」。ネットワークテスト製品ベンダーのイクシアコミュニケーションズでプリンシパルテクノロジストを務めるデイブ・シュナイダー氏はこう指摘する。
サイバー攻撃の急速な変化がセキュリティテストの重要性を高める
「全社的なセキュリティ監査を実施している企業であっても、実施頻度はせいぜい年に1、2回といった程度。急速に変化する昨今のサイバー攻撃に備えるには十分とはいえない」というのがシュナイダー氏の見方だ。もし導入しているセキュリティ製品が現在の脅威を防げないのであれば、機能強化や他社製品への乗り換えなどを早急に検討する必要がある。
セキュリティ製品によるネットワークのパフォーマンス低下も無視できない課題だと、シュナイダー氏は強調する。「セキュリティ製品によるネットワークの遅延が、自社のビジネスに影響を及ぼさないかどうかを確かめておく必要がある」
セキュリティ製品の性能やネットワークのパフォーマンスへの影響を分析するのに役立つのが「セキュリティテスト製品」である。実際の攻撃を模したトラフィック(攻撃パターン)をセキュリティ製品に送ることで、セキュリティ製品が攻撃を正確に検知できるかどうか、ネットワークにどれぐらいの遅延を引き起こすかなどを確認できる製品だ。
セキュリティテスト製品を利用するのはベンダーやサービスプロバイダーなどが中心である。だが新たなサイバー攻撃が次々と明るみに出る現状を考慮すると、「ユーザー企業を含め、データセンターを抱える全ての企業にとってセキュリティテストの重要性は高まっている」とシュナイダー氏は指摘する。実際、「海外ではセキュリティテスト製品に対する一般企業からの引き合いも増えつつある」という。
8000以上の攻撃パターンをテスト可能な「IxLoad-Attack」
イクシアは「IxLoad-Attack」というセキュリティテスト製品を提供している。レイヤー4(トランスポート層)からレイヤー7(アプリケーション層)までを対象とするネットワークテスト製品「IxLoad」のアドオンである。
IxLoad-AttackはDLP(Data Loss Prevention)やIPS(侵入防御システム)といったセキュリティ製品の機能や性能をテストできる。セキュリティ製品単体に加え、ネットワーク全体のパフォーマンステストも可能だ。IPsecベースのVPNゲートウェイの性能テスト製品「IxLoad-IPsec」を併用することで、IPsecでカプセル化した攻撃パターンもテストできる。
現時点で8000以上の攻撃パターンをシミュレーションでき、さらに隔週で新たな攻撃パターンを追加しているという。最新の脆弱性やマルウェアについては、カナダの通信事業者Telus Communicationsや英脆弱性評価ツールベンダーのIdappcomといったパートナー企業と共同研究している。解析した最新のマルウェア情報は、攻撃パターンの更新に活用している。
実際のマルウェアを使ったテストができる「ライブマルウェア機能」
イクシアは2012年初頭にIxLoad-Attackのバージョンアップを実施する。注目の機能は「ライブマルウェア機能」だ。攻撃パターンに加え、実際のマルウェアを使ったテストを可能にした。昨今のサイバー攻撃で攻撃者が頻繁に利用するMicrosoft OfficeやPDFなどのファイルに埋め込まれたマルウェアもテストできる。「ユーザー企業はより実際の攻撃に近い環境でテストできる」。ユーザー企業が保有するマルウェアの検体を使ったテストも可能だ。
IxLoad-Attackの参考価格は全て税別で、ハードウェアを併せた最小構成価格で1963万3000円。ソフトウェア単体の場合は282万5000円から。セキュリティ製品を対象としたセキュリティテスト製品には、IxLoad-Attackの他に英Spirent Communicationsの「Avalanche」などがある。
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