ドットヒルシステムズがミッドレンジ向けSANを発表。アクセス頻度の高いデータをSSD階層にリアルタイムに移動できる自律型階層化機能などを搭載している。
ドットヒルシステムズは11月7日、ミッドレンジ向けSAN(Storage Area Network)ストレージの新製品群「Pro 5000シリーズ」を発表した。12月17日に出荷する。
これまで同社は、Sun Microsystems(現Oracle)の「Sun StorEdge 3000」シリーズやHewlett-Packard(HP)の「HP StorageWorks Modular Smart Array 2000」シリーズなどに製品をOEM供給してきた。自社ブランドとしては、高い環境耐性を備えたエントリー向け「3000シリーズ」、HPC/ビデオ業界向け「4000シリーズ」などを販売している。
今回発表したPro 5000シリーズは、2Uサイズのモジュラー型ストレージで2.5インチドライブ対応(24基搭載)、3.5インチドライブ対応(12基搭載)の2種類の筺体がある。NL-SAS、SAS、SSDなど異なる種類のドライブが混在可能で、SSDをキャッシュとして活用したり、2または3階層のストレ―ジを構成できる。
また、Pro 5000シリーズでは、新たに同社独自のソフトウェア群「RealStor」を搭載した。RealStorは、データの高速アクセスやリアルタイムでの自動階層化、ストレージの仮想化などを実現する6つのソフトウェアで構成される。その他、VMware Site Recovery Managerなどに対応するリモートレプリケーション機能「AssuredRemote」をオプションで提供する。
機能名 | 機能概要 |
---|---|
RealTier | アクセス頻度の高いデータをリアルタイムにSSD階層に移動する |
RealThin | 実際に割り当てる物理ディスク容量に依存せず、ボリューム容量を仮想的に設定する「シンプロビジョニング」機能 |
RealPool | ドライブの種類によって、システムが自動的にRAIDレベル(RIAD 0、6)を選択し、ストレージプールに組み込む「仮想ストレージプール」機能 |
RealQuick | RAIDセットの領域全体ではなく、4Mバイト単位でリビルドを実施することでリビルド時間を短縮する |
RealSolid | 特定のLUNのデータをSSD階層に固定して割り当てる |
RealSimple | Webベースの管理コンソール |
RealStorの中でも、特徴的なのが自律型階層化機能「RealTier」だ。RealTierではデータアクセスを5秒単位で監視し、アクセス頻度の高いデータを特定。4Mバイトのページ単位で最適な階層に自動配置する。
ドットヒルシステムズのカントリーマネージャー、青木 登氏によると、「他ベンダーのストレージにもデータの自動配置機能は実装されているが、データ配置のタイミングはユーザーが指定した時間帯に実施する“バッチ型の再配置”型が多い。一方、RealTierはストレージへのデータ要求を継続的に行い、データの再配置を数秒間隔でリアルタイムに実施できる」という。また、移動単位が小さく細かな制御が可能で、CPUへの負荷やレスポンスへの影響もほとんどないとしている。さらに、「Pro 5000シリーズは、ストレージコストを抑えつつ、SSDの活用でより高い性能を求めている企業のニーズに対応する」と語った。
Pro 5000シリーズはコントローラー、電源装置が2重化されており、ホストインタフェースは8G FC(ファイバーチャネル)、10G iSCSIのいずれかを選択できる。参考価格は、1265万1000円(基本構成の3年保証)から。また、3種類の拡張筺体を用意している。青木氏は、2013年末までに100セットの販売を目標に掲げた。
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