データサイエンティストの台頭は「ハイプ(過剰な期待)への反応」だ。だが、データ分析は既にビジネスを知っている人間に任せた方がうまくいくだろう。
科学は「データサイエンス」の称号により、データに新たな威厳を付け加えた。IBMのアソシエイトパートナー、マティン・ジューズダーニ氏(訳注)は、この語を次のように説明している。「データ分析はますます難しくなっているため、データ分析ができる人間はサイエンティストと呼ばれている」
訳注:本誌「5月29日号:勝者の条件」にも登場している。
本記事は、プレミアムコンテンツ「Computer Weekly日本語版 2013年6月26日号」(PDF)掲載記事の抄訳版です。本記事の全文は、同プレミアムコンテンツで読むことができます。
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ビジネスリーダーは最近、データサイエンスへの対応を熱望している。なぜなら「ハイプ(過剰な期待)に反応」しているからだと、英Gartnerのアナリスト、デブラ・ローガン氏は言う。
しかし、この熱望が現存することは事実だ。たとえこれが、データという原石から金を抽出しようとする、不況から生まれたニーズの現れにすぎないとしても。
英Economist Intelligence Unitのアンケートに基づく最近のリポート「Fostering a data-driven culture:データドリブンな文化の育成」をまとめたジム・ジャイルズ氏は、「いまだに、データの専門家、恐らく統計学を収めた新卒者を組織に受け入れて、データに魔法をかける方法についてアドバイスをもらうべきだという見方がある」と話す。「これは問題のある考え方だ。データは誰にでも関係がある」
アンケートの結果を見ると、データサイエンスを活用できている企業では、必要なトレーニングを提供し、全レベルの社員と部門間でのデータ共有を奨励することで、データが最大限に活用されるようにしている。データ仮想化企業の米Tableau Softwareがスポンサーのこのリポートでは、データサイエンティストの専門家集団の育成・確保にこだわるのではなく、データ分析の民主化を進めることを支持している。
オンライン旅行会社の英Lastminute.comのイノベーション担当ディレクター、ビル・ベックラー氏(訳注)は、データの民主化と、綿密なデータサイエンス機能の開発とをバランスを取りながら進めている。
訳注:本誌「6月12日号:Windows XPの終焉─そのとき残されたシステムは?」にも登場している。
「弊社では、あらゆる場所でデータを基にした意思決定がなされるように、草の根レベルでデータツールを利用することの意義を強く信じている。これは、1人ひとりにより大きな責任を与えることになる。その結果、仕事を楽に、かつ満足してこなせるようになり、職務を遂行するために必要なツールの重要性はますます高くなる。弊社のデータサイエンスチームは、このアプローチを軸にしている」(ベックラー氏)
ベックラー氏によると、Lastminute.comのデータサイエンスチームのメンバーは公募制で採用される。採用プロセスには、Lastminute.comが抱える課題を処理できるだけのスキルがなければ解けない、難解な数学の試験が含まれる。
同チームの職務には、データ処理、予測モデリング、マーケティング最適化、戦略的なビジネスの問題解決が含まれる。ベックラー氏は、「チームメンバーは、手動で解決できることを自動化するためのツール開発に絶えず取り組んでいる」と話す。
Lastminute.comでは、優秀な人材を採用することが重要だと考えている。「優秀な人材を維持するには、しかるべき居場所を用意する必要がある。そこで、弊社では水準を高く保ち、誰もが一緒に仕事をしたいと思うような人物のみを採用するようにしている。これで、士気が高くなり、また、卓越した能力は伝染するので、人材の育成と維持が容易になる」
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