「パスワードは安全だと思わない」――生体認証が不可欠の時代へ個人認証にDNAデータ使用も容認

調査の結果、英国人の3分の2がパスワードよりも生体認証の方が安全だと考えており、利用に積極的であることが分かった。認証システムは今、大きな転換を求められている。

2015年09月09日 08時00分 公開
[Karl FlindersComputer Weekly]

 オンラインバンキングにはユーザー名とパスワードの組み合わせよりも生体認証技術を使用する方が安全だと考えている人々が、英国では3分の2に上ることが分かった。また、認証のためにDNAデータを共有しても構わないという人々も4分の1を占める。

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 通信プロバイダー豪Telstraのリポートによると、生体認証は「何かを簡単にするとセキュリティが犠牲になる」という考え方を一変させるものであり、金融サービス企業はこの技術に投資しなければ顧客を失いかねないという。

 指紋認証では即座に認証が完了するため、モバイルバンキングアプリに利用する人が増えている。誰も、ユーザー名やパスワードを何度も入力することを望んでいない。タッチスクリーンが小さいことから、移動中は特に難しくなる。

 Telstraによると、英国では回答者の3分の2が、音声、指紋、虹彩、顔認識などの認証テクノロジーはパスワードよりも安全で、詐欺のリスクが減ると考えている。英国の回答者のうち、直接的または間接的にID盗難の被害に遭ったことがあると回答したのは32%で、全世界平均は38%だ。

 ID盗難の被害に遭ったことがあると答えた全世界の回答者の5分の2(40%)は、原因の大半または全てが、個人情報を預けた企業の過失だったと述べている。そして回答者の約3分の2(63%)が、ID盗難の被害を直接受けた場合は、銀行などの取引相手を変えると答えている。間接的に被害を受けた場合にも変えるという回答者は54%に上る。

失われたパスワードへの信頼

 Telstraで銀行、金融、保険担当のグローバル幹部を務めているロッキー・スコペリティ氏は次のように語る。「ここ6カ月間、当社とスマートフォンとの関係が、当社と金融機関とのパートナーシップにどのように影響を及ぼしてきたかを把握するため、世界中の消費者や銀行に話を聞いた」

 「その結果分かったことは、

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