セキュリティの名著『カッコウはコンピュータに卵を産む』の著者、クリフォード・ストール氏が直面した事件から30年弱。進化し続けるセキュリティの脅威に対抗すべく、対策にも変化が求められている。
カッコウは他の鳥の巣に卵を産む――。これは、ネットワーク侵入に関する往年の名著『The Cuckoo's Egg』(邦題『カッコウはコンピュータに卵を産む』)の著者であるクリフォード・ストール氏が同書のタイトルを考えていた際、米San Francisco Zoo(サンフランシスコ動物園)のペンギン飼育係から言われた言葉だった。
「巣の主である鳥は、カッコウを卵から孵化させる。そして育ったカッコウは巣を乗っ取り、もともとの巣の主に餌を食べさせてもらう」。ストール氏は1989年、米ケーブルテレビC-SPANのインタビューでそう語った。「その巣を出て行いったカッコウは、また他の卵を産む。カッコウにとっては、何もかもがうまくいくのだ」
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