問診票や、日々計測した血圧や血糖を記録する手帳は、紙ベースのフォーマットが長年利用されていました。しかし近年ではこれらもデジタル化が進んでいます。
医療機関のIT化は他の業界に比べて5〜10年は遅れているといわれます。また、医療現場でIT製品を導入する際、スタッフから不安の声が上がるなど、多かれ少なかれ障害が発生します。なぜ、医療現場にITが浸透しないのか。その理由を探るとともに、解決策を考えていきます。
前回の「クリニック経営を『見える化』するツール『PMS(Practice Management System)』とは?」では、医療機関が電子カルテやレセプトコンピュータ(以下、レセコン)などに蓄積したデータの活用するための手段として、「PMS」(Practice Management System:病院向け経営支援システム)を紹介しました。今回は、問診システムや血圧計などのウェアラブル端末と電子カルテの連携について考えてみます。
「問診票」は患者の受診理由や現在の症状、発症時期などを自己申告してもらうための書類です。問診票に書かれた患者の症状を基に、医師は診察や検査をしていきます。電子カルテの普及が進んでいますが、いまのところ問診票は紙で運用している医療機関が少なくありません。
なぜ、これまで電子カルテを導入しても、問診表は紙だったのでしょうか。それは患者のITリテラシーと大きな関係があります。クライアントPCなどの情報端末は誰でも操作できる訳ではありません。そのため、誰でも操作可能な紙が長く使われていました。
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