IoT機器の不要なポート開放が攻撃成功の要因に NRIセキュアが分析DDoS攻撃や不正アクセスのリスク

NRIセキュアが「サイバーセキュリティ傾向分析レポート2018」を発表した。調査ではIoT機器やWebサイトの、外部に開放された不要なポートが攻撃経路となっている傾向が見られた。こうした設定の不備を防ぐためには。

2018年08月27日 10時20分 公開
[上田 奈々絵TechTargetジャパン]

画像 NRIセキュア 原田氏

 NRIセキュアテクノロジーズ(以下、NRIセキュア)は2018年8月21日、同社サービスの提供を通して2017年度に得たデータを基に集計、分析した年次レポート「サイバーセキュリティ傾向分析レポート2018」を発表した。同社サイバーセキュリティ開発部セキュリティコンサルタントの原田 諭氏は、本年度のレポートで注目すべき点の一つとして、意図せず外部開放されている不要ポートが攻撃者の標的になっていることを挙げる。

探索行為の対象になるIoT機器向けポート

画像 図 ファイアウォールでブロックした通信件数

 2016年に世界で猛威を振るったマルウェア「Mirai」と同様、IoT(モノのインターネット)機器を悪用した攻撃が続いている。IoT機器が攻撃を受けた場合、DDoS(分散型サービス拒否)攻撃に悪用されたり、仮想通貨の採掘に機器のリソースを無断で使われたりする可能性がある。レポートによると、同社が提供するマネージドセキュリティサービスにおいて、ファイアウォールで2017年度にブロックした通信のうち、IoT機器を狙った通信の割合は38.0%だった。

 IoT機器を遠隔操作するためのプロトコルには、telnetが広く使われている。telnetで利用されるTCPの23番ポート(以下、telnetポート)への通信の割合は、2016年度の48.1%から29.2%に減少。一方ファイアウォールでブロックした通信の総数は、約22億件から約25億件に増加した(図)。原田氏はこの結果を受け「攻撃者が悪用するポートの種類が分散しつつある」と言う。

 原田氏は攻撃されることが多いポートとして、ルーターやデジタルビデオレコーダーなどのIoT機器を他の機器につなげるためのポートや、管理画面に接続するためのポートを挙げる。IoT機器は導入後すぐにインターネットに接続して利用できるように初期設定されていることが多く、そのままでは攻撃の影響を受けやすいという。具体的には、監視カメラを初期設定のログインIDとパスワードのままで利用することや、ルーターのファームウェアの自動更新を無効にしていることが、攻撃成功の要因として挙げられる。

 原田氏によると、不要なポートが開放されているケースはIoT機器だけではないという。

会員登録(無料)が必要です

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

譁ー逹€繝帙Ρ繧、繝医�繝シ繝代�

製品資料 フォーティネットジャパン合同会社

クラウドに必要な「データドリブンなセキュリティ」を実現する方法とは?

クラウド利用が当たり前となった今日、セキュリティ対策もまたクラウド環境に適したものでなくてはならない。とはいえ、大量のデータポイントが生成されるクラウド領域にあって、その全てのポイントを網羅するのは並大抵のことではない。

製品資料 TIS株式会社

Web攻撃総数の2割以上が狙うAPI、適切な管理とセキュリティ対策を行うには?

ビジネスでのAPI利用が進むにつれ、そのAPIを標的としたサイバー攻撃も増加している。それらに対抗するためには、「シャドーAPI」や「ゾンビAPI」を洗い出し、セキュリティ対策を徹底する必要がある。その正しい進め方を解説する。

製品資料 Okta Japan株式会社

アイデンティティー管理/保護の注目手法、「IGA」とは何か?

ある調査で企業の61%がセキュリティ優先事項のトップ3に挙げるほど、重要度が高まっているアイデンティティー管理・保護。その中で昨今注目されているのが「IGA」というアプローチだ。そのメリットや、導入方法を解説する。

製品資料 株式会社エーアイセキュリティラボ

AIで人材不足を解消、セキュリティ担当者のためのDXガイド

DX推進によってさまざまなビジネスシーンでデジタル化が加速しているが、そこで悩みの種となるのがセキュリティの担保だ。リソースやコストの制限も考慮しながら、DXとセキュリティを両輪で進めるには何が必要になるのか。

製品資料 パロアルトネットワークス株式会社

セキュリティ運用を最適化し、SOCの負担を軽減する「SOAR」とは?

サイバー攻撃が巧妙化し、セキュリティチームとSOCは常に厳戒態勢を取り続けている。さらにデジタルフットプリントの拡大に伴い、セキュリティデータが絶え間なく往来する事態が生じている。このような状況に対応するには、SOARが有効だ。

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

繧「繧ッ繧サ繧ケ繝ゥ繝ウ繧ュ繝ウ繧ー

2025/04/24 UPDATE

  1. 繝ゥ繝ウ繧オ繝�繧ヲ繧ァ繧「髮�屮Black Basta縺ョ莨夊ゥア縺梧オ∝�縲€譏弱i縺九↓縺ェ縺」縺滓判謦�€��窶懈悽髻ウ窶�
  2. 縲窟pp Store縲阪d縲隈oogle Play縲阪〒窶懷些髯コ縺ェ繧「繝励Μ窶昴r隕区・オ繧√k譁ケ豕�
  3. 譌・譛ャ縺ァ繧ょッセ遲悶′驕�l繧九€後≠縺ョ萓オ蜈・邨瑚キッ縲阪′諤・蠅冷€補€墓判謦�げ繝ォ繝シ繝励�豢サ蜍募ョ滓�
  4. 繝��繧ソ縺梧シ上∴縺�@縺溘i縲∽シ∵・ュ縺ッ縺ゥ繧後□縺第錐繧偵☆繧具シ溘€€IBM隱ソ譟サ縺ァ蛻、譏�
  5. 縲窟I PC縲阪′驥阪>繧ィ繝ウ繝峨�繧、繝ウ繝医そ繧ュ繝・繝ェ繝�ぅ繧定サス縺上☆繧具シ溘€€ESET縺ョ謖第姶
  6. 縺ゅ�豎コ貂域婿豕輔�縲後け繝ャ繧ォ諠��ア豬∝�縲阪′襍キ縺阪d縺吶>�溘€€螳牙�縺ェ譁ケ豕輔�
  7. 縲瑚コォ莉」驥代r謾ッ謇輔≧縲堺サ・螟悶�繝ゥ繝ウ繧オ繝�繧ヲ繧ァ繧「蟇セ遲悶�譛ャ蠖薙↓縺ゅk縺ョ縺具シ�
  8. 繝ゥ繝ウ繧オ繝�繧ヲ繧ァ繧「縺ョ蜊頑焚莉・荳翫′窶懊≠縺ョ萓オ蜈・邨瑚キッ窶昴r謔ェ逕ィ窶補€戊ヲ矩℃縺斐&繧後◆繝ェ繧ケ繧ッ縺ィ縺ッ��
  9. 辟。譁吶〒縲後そ繧ュ繝・繝ェ繝�ぅ縺ョ繝励Ο縲阪r逶ョ謖�○繧銀€懊が繝ウ繝ゥ繧、繝ウ蟄ヲ鄙偵さ繝シ繧ケ窶�5驕ク
  10. 謾サ謦�€��窶憺裸蟶ょ�エ窶昴€後ム繝シ繧ッWeb縲阪∈繧医≧縺薙◎縲€縺昴�蛻ゥ逕ィ譁ケ豕輔r隗」隱ャ

ITmedia マーケティング新着記事

news046.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news026.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...

news130.jpg

Cookieを超える「マルチリターゲティング」 広告効果に及ぼす影響は?
Cookieレスの課題解決の鍵となる「マルチリターゲティング」を題材に、AI技術によるROI向...