グローバル医療サービス会社のDX【中編】
DX推進の医療会社を悩ませた「クラウドをグローバルで使う」ときの課題とは?
複数の国で医療サービスを提供するBupaは、DX推進の一環としてMicrosoftのクラウドサービスの活用を進めている。そこで同社が直面した、グローバル企業ならではの課題とは何か。その解決方法とは。
英国に本部を置き、米国やオーストラリアなどで医療保険や病院・診療所の運営などを手掛ける国際医療サービス企業のBupa HIは、デジタルトランスフォーメーション(DX)推進の一環としてMicrosoftのクラウドサービスの活用に取り組んでいる。BupaのDXを主導するのが、同社で最高技術責任者および最高設計責任者を務めるダイアナ・ケネディ氏だ。前編「IT幹部を『医療DX』夢中にさせた、採用面接での医療会社CEOの“あの一言”」に続く本稿は、DXに向けた同社の取り組みを紹介する。
医療会社が悩んだ「クラウドをグローバルで使う」ときの課題とは
ケネディ氏がBupaに就任した2021年1月の時点で、同社は既にMicrosoftのクラウドサービスを利用していた。ただし利用状況は、同社が事業を展開する国ごとに異なった。Bupaは13カ国以上で事業を展開する企業の集合体で、それぞれがMicrosoftと独自の関係を築いていた。「もっと国際的に統一した関係をMicrosoftと築くメリットは大きいと考えた」と同氏は話す。
当時のBupaは主に、導入する製品やサービスごとにMicrosoftと取引していた。これは国によってMicrosoftのクラウドサービスの導入度合いに大きな差が生じる原因の一つとなっていた。
導入と利用をつぎはぎのように進めていたことで、BupaはこれまでMicrosoftのクラウドサービスのメリットを十分に引き出すことが難しかったとケネディ氏は説明する。Microsoftのクラウドサービスのメリットを引き出すには、同社の各種製品・サービスとの連携を進めることが重要だ。
Microsoftと協力してBupaが取り組んでいることの一つが、業務アプリケーションからITインフラに至るまで、Microsoft製品・サービス同士の連携を進めることだ。英国をはじめとした各国の拠点は、CRM(顧客関係管理)システムとしてSaaS(Software as a Service)の「Microsoft Dynamics 365」を使用している。従来はDynamics 365が持つ他のMicrosoft製品・サービスとの連携機能を活用していなかった。ケネディ氏はオフィススイート「Microsoft 365」(Office 365)やクラウドサービス群「Microsoft Azure」の機械学習サービスと、Dynamics 365との連携を計画している。
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