“頼れるスクラムマスター”が取得する「コーチング」認定資格とは? 合格するにはスクラムマスターの5大認定資格【第5回】

スクラムにおいて多岐にわたる役割を担うスクラムマスター。各役割について自身が持つ知識やスキルを示すのに役立つ認定資格には何があるのか。

2022年07月12日 05時00分 公開
[Darcy DeCluteTechTarget]

 「スクラムマスター」は、開発チームのメンバーに役割やタスクを割り振り、メンバー同士の連携を取りながらプロジェクトを進める「スクラム」のまとめ役だ。スクラムマスターの知識やスキルの証明になる主要な5つの認定資格のうち、5つ目を取り上げる。

認定資格5.コーチングやトレーニングに関する認定資格

 スクラムマスターには、コーチ、進行役、メンター、リーダーなど複数の役割がある。各役割に応じた知識やスキルを身に付けていることを証明するため、スクラムマスターは職務経歴書にコーチングやトレーニングについての資格を記載できるのが望ましい。

 個人的見解としては、Scrum.orgが提供する、スクラムマスターとしての豊富な経験と知識を有する証明の資格試験「Professional Scrum Master Trainer」が適切だと考える。Amazon Web ServicesやGoogleのテクニカルトレーナーとしての認定資格も、開発チームのメンバーと効果的なコミュニケーションを取るのに必要なスキルを備えていることの証明として有用だ。

 スクラムマスターは、所有するコーチングやトレーニングの認定資格には特にこだわる必要はない。コーチや指導に必要な気質や態度を備えていることを示す認定資格が何かあればよいという程度だ。


 表1に、連載を通じて紹介した認定資格をまとめる。

表1 スクラムマスター認定資格の比較
名称 難易度 料金 取得者数 問題数 試験時間 合格基準(正答率)
Professional Scrum Master I 初級 150ドル 46万人以上 80問 60分 85%
Professional Scrum Master II 中級 250ドル 1万8000人以上 30問 90分 85%
Professional Scrum Master II 上級 500ドル 1000人以上 30問 150分 85%
ACP-610 Managing Jira Projects for Data Center and Server 100ドル 75問 180分 64%
ACP-620 Managing Jira Projects for Cloud Certification 中級 100ドル 75問 180分 63%
AWS Certified Cloud Practitioner 初級 100ドル 40万人以上 65問 90分 70%
SAFe Agilist 上級 指定の学習コース修了後30日以内に受講すると追加費用不要。それ以降は追加費用50ドルが必要 45問 90分 77%
SAFe Scrum Master 指定の学習コース修了後30日以内に受講すると追加費用不要。それ以降は追加費用50ドルが必要 45問 90分 73%
SAFe Product Owner 指定の学習コース修了後30日以内に受講すると追加費用不要。それ以降は追加費用50ドルが必要 45問 90分 73%

 スクラムマスターの知識やスキルがプロジェクトの成否を分ける可能性がある。本連載で解説した認定資格は、スクラムマスターがどの程度のパフォーマンスを発揮するかを保証するものではない。ただし知識の幅広さを示すのには十分だ。個人的見解としては、本稿で紹介した5つの認定資格は、スクラムマスターとして所持できる「最高の認定資格」だと考える。

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