SSDユーザーに「Optane」が好かれなかった“なるほどの理由”次世代メモリの筆頭が消える【第3回】

SSDとメモリのそれぞれの分野において、IntelにはOptaneで成し遂げたい変革があった。ただし幾つかのハードルが、Optaneの普及を阻んだ。

2022年11月07日 05時00分 公開
[Jim HandyTechTarget]

 「相変化メモリ」(PCM)の技術を基に、Intelは不揮発性メモリ「Intel Optane」(以下、Optane)を事業化した。新しいSSDとメモリに挑むこの挑戦は、結果的に終わってしまったが、この分野に関わる人に与えた影響がある。

だから「Optane」はSSDユーザーに好かれなかった

 Intelは1960年代からPCM技術の研究を続けてきた。PCM技術を利用しようとする競合ベンダーの試みを阻止するために、同社は独自の仕様をOptaneのメモリ製品に採用することにした。Optaneの事業において同社がまず製品化したのはSSDだったが、これは同製品群の量産を前にした序章に過ぎなかった。

 SSDの利用者は、データ読み書きがより高速なSSDを好む傾向にある。Intelは、Optaneの技術によって高速さを売りにするSSDを提供しようとした。だがSSDのインタフェースがボトルネックになり、「3D XPoint」(Optaneの基になったメモリ技術)が実現可能な高速さを十分に引き出すことができなかった。

 結果としてOptaneのSSDは、生産に見合うだけの販売数に達することはなかった。SSDの利用者は、わずかな高速化しか実現しないのなら、Intelが提示するプレミアム価格に見合う価値はないと判断した。

 一方でIntelがSSDよりも重視していたのは、メインメモリとして使われるDRAM(Dynamic Random Access Memory)に近い読み書き速度で動作するメモリモジュールの提供だった。Intelはこれに当たり、独自のプロトコル「DDR-T」を開発した。これを利用するには、メモリモジュール「DIMM」(Dual In-line Memory Module)側とCPU側の両方でDDR-Tに準拠する必要がある。標準的な仕様では利用できないという意味で、言ってみれば「ウォールドガーデン」(壁に囲まれた庭)を構築するものだった。

 SSDの場合とは異なり、OptaneのDIMMは、3D XPointによる読み書き高速化の可能性を最大限に追求した。Intelは2019年、プロセッサシリーズ「Xeon」の第2世代と同時に、OptaneのDIMM版を発売した。

 OptaneのDIMMの問題は価格だった。企業にOptaneの採用を促すためには、一般的にはDRAMより遅いDIMMを、DRAMより安い価格で提供する必要がある。ところがOptaneのDIMMを製造するコストは、同社が市場における適正価格を目指すために必要な上限を超えていた。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

鬮ォ�エ�ス�ス�ス�ス�ス�ー鬯ィ�セ�ス�ケ�ス縺、ツ€鬩幢ス「隴取得�ス�ク陷エ�・�ス�。鬩幢ス「�ス�ァ�ス�ス�ス�、鬩幢ス「隴主�讓滂ソス�ス�ス�ス鬩幢ス「隴趣ス「�ス�ス�ス�シ鬩幢ス「隴乗��ス�サ�ス�」�ス�ス�ス�ス

製品資料 株式会社ネットワールド

すぐ役立つ&初めてでも安心 「NetAppの教科書」決定版

データ環境の急変は、企業のストレージ課題を複雑化させている。性能や拡張性、データ保護、分散環境の一元管理、コスト最適化など、自社の課題に合わせた製品・サービスをどう見つければよいのか。それに役立つ製品ガイドを紹介したい。

技術文書・技術解説 エフサステクノロジーズ株式会社

フラッシュアレイ選びのヒント:最小限のダウンタイムでデータ移行できる製品は

フラッシュアレイ導入を検討する際、既存のリモートストレージデバイスからのデータインポートは気になる点の1つだ。そこで本資料では、最小限のダウンタイムでデータ移行できるフラッシュアレイ/ハイブリッドアレイ製品を紹介する。

製品資料 エフサステクノロジーズ株式会社

初級解説:中小規模向け「フルSSD」&「ハイブリッドストレージ」の実力

近年、企業に蓄積されるデータが爆発的に増加しており、新たなストレージシステムへのニーズが高まっている。そこで、中小規模のニーズをカバーする、フルSSDおよびSSD/HDDハイブリッドのシンプルなブロックストレージを紹介する。

製品資料 エフサステクノロジーズ株式会社

解説:SAN専用オールフラッシュアレイ、99.9999%の高可用性を支える技術とは?

近年のSANストレージには、データの保護と可用性を確保することが求められている。そこで登場したのが、SAN専用のオールフラッシュアレイだ。本資料では、99.9999%を超える高可用性を実現する同ストレージの実力を紹介する。

製品資料 エフサステクノロジーズ株式会社

ストレージ専用OSでどれだけ変わる? データの高速処理や保護に見逃せない違い

ビジネスの成否を左右する要素として、データの重要性がかつてないほど高まっている。これに伴い、データ基盤としてのストレージの役割も一層注目されている。本資料では、多様かつ高度なニーズに応え得るストレージ製品の特徴を紹介する。

アイティメディアからのお知らせ

驛「譎冗函�趣スヲ驛「謨鳴€驛「譎「�ス�シ驛「�ァ�ス�ウ驛「譎「�ス�ウ驛「譎「�ソ�ス�趣スヲ驛「譎「�ソ�スPR

From Informa TechTarget

「テレワークでネットが遅い」の帯域幅じゃない“真犯人”はこれだ

「テレワークでネットが遅い」の帯域幅じゃない“真犯人”はこれだ
ネットワークの問題は「帯域幅を増やせば解決する」と考えてはいないだろうか。こうした誤解をしているIT担当者は珍しくない。ネットワークを快適に利用するために、持つべき視点とは。

繧「繧ッ繧サ繧ケ繝ゥ繝ウ繧ュ繝ウ繧ー

2025/07/14 UPDATE

  1. 繝ォ繝シ繧ソ繝シ縺ョ騾壻ソ。邨瑚キッ縺ッ縺ゥ縺�アコ縺セ繧具シ溘€€縲薫SPF縲阪d縲沓GP縲阪�莉慕オ�∩縺ォ霑ォ繧�
  2. 縺�∪縺輔i閨槭¢縺ェ縺�€後Ν繝シ繧ソ繝シ邨檎罰縲阪〒繧、繝ウ繧ソ繝シ繝阪ャ繝医↓謗・邯壹☆繧銀€懃悄縺ョ逅�罰窶�
  3. 縺�∪縺�荳堺ココ豌励�辟。邱哭AN隕乗�シ縲係i-Fi 7縲阪�遏・繧峨l縺悶k窶懊☆縺斐>諤ァ閭ス窶�
  4. 縺�∪縺輔i閨槭¢縺ェ縺�€後Ν繝シ繧ソ繝シ縲阪→縺ッ�溘€€繝「繝�Β縺ィ縺ョ驕輔>縺九i窶�7遞ョ縺ョ蛻�。樞€昴∪縺ァ
  5. 縲栗Psec-VPN縲阪→縲郡SL-VPN縲阪�驕輔>縺ッ�溘€€莉慕オ�∩縺九i繝�Γ繝ェ繝�ヨ縺セ縺ァ蠕ケ蠎戊ァ」隱ャ
  6. 縲�8080縲阪d縲�993縲阪€€縺ゥ縺薙°縺ァ隕九◆窶懊≠縺ョ謨ー蟄冷€昴�豁」菴�
  7. 繧ィ繝ウ繧ク繝九い蠢�ソョ縺ョ縲後ロ繝�ヨ繝ッ繝シ繧ッ蝓コ遉守衍隴倥€阪�縺薙l縺�
  8. 窶廾SI蜿ら�繝「繝�Ν窶昴〒隕九◆隨ャ4螻、縲∫ャャ7螻、縺ョ縲後Ο繝シ繝峨ヰ繝ゥ繝ウ繧オ繝シ縲阪�驕輔>縺ッ縺薙l縺�
  9. VPN繧剃スソ縺�↑繧峨€栗Psec縲阪→縲郡SL縲阪�縺ゥ縺。繧峨r驕ク縺カ縺ケ縺搾シ�
  10. 縲後ユ繝ャ繝ッ繝シ繧ッ縺ァ繝阪ャ繝医′驕�>縲阪�蟶ッ蝓溷ケ�§繧�↑縺�€懃悄迥ッ莠コ窶昴�縺薙l縺�

SSDユーザーに「Optane」が好かれなかった“なるほどの理由”:次世代メモリの筆頭が消える【第3回】 - TechTargetジャパン サーバ&ストレージ 髫エ�ス�ス�ー鬨セ�ケ�つ€鬮ォ�ェ陋滂ソス�ス�コ�ス�ス

TechTarget驛「�ァ�ス�ク驛「譎「�ス�」驛「譏懶スサ�」�趣スヲ 髫エ�ス�ス�ー鬨セ�ケ�つ€鬮ォ�ェ陋滂ソス�ス�コ�ス�ス

鬩幢ス「隴取得�ス�ク陷エ�・�ス�。鬩幢ス「�ス�ァ�ス�ス�ス�、鬩幢ス「隴主�讓滂ソス�ス�ス�ス鬩幢ス「隴趣ス「�ス�ス�ス�シ鬩幢ス「隴乗��ス�サ�ス�」�ス�ス�ス�ス鬩幢ス「隴趣ス「�ス�ス�ス�ゥ鬩幢ス「隴趣ス「�ス�ス�ス�ウ鬩幢ス「�ス�ァ�ス�ス�ス�ュ鬩幢ス「隴趣ス「�ス�ス�ス�ウ鬩幢ス「�ス�ァ�ス�ス�ス�ー

2025/07/14 UPDATE

ITmedia マーケティング新着記事

news017.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...