「RAID」はHDDやSSDのデータを保護したり、読み書き性能を改善したりするための仕組みだ。RAIDには幾つもの方法がある。定番の一つであるRAID 50やRAID 6の他、非標準のRAIDを解説する。
ストレージの用語としてよく出てくる「RAID」(Redundant Array of Inexpensive Disks)とは、複数台のHDDやSSDを1台のストレージとして運用する仕組みだ。RAIDの仕組みは1つではなく、データ保護や読み書き性能などの要件に応じて、幾つものRAIDレベル(RAIDの種類のこと)がある。
「RAID 50」は、「RAID 5+0」とも呼ばれる。このRAIDは、データを複数のHDDに分散させて書き込む「ストライピング」と、「分散パリティ」のネスト(組み合わせ)だ。分散パリティは、データを複数のHDDに分散して格納すると同時に、データを再構築(リビルド)する際に必要となる「パリティ」(2進数の誤り検出符号)を併せて書き込む方式であり、「RAID 5」の方式のことだ。要するにRAID 50は、RAID 5に「RAID 0」のストライピングを組み合わせている。RAID 50には、最低6台のHDDが必要だ。
RAID 6 は、パリティを二重に生成し、複数のHDDに分散して書き込むことで、RAID 5よりも耐障害性を高めている。データが複数のHDDに分散することでI/O(データの入出力)のパフォーマンスが向上しやすい利点も見込める。RAID 6の構成には、最低4台のHDDが必要になる。
「Adaptive RAID」(アダプティブRAID)では、パリティをどのようにHDDに保存するかをRAIDコントローラーが選択する。書き込むデータのタイプに応じて、「RAID 3」と「RAID 5」のいずれかを選択する。RAID 5は本稿でも触れた通り、分散パリティのRAIDであり、RAID 3はストライピングと専用ドライブでのパリティ保存をする仕組みだ。
「RAID 7」は、「RAID 3」と「RAID 4」をベースにした非標準のRAIDレベルだ。データを一時保存するキャッシュ機能を追加した専用プロセッサを使用する。RAID 7はStorage Computerが保有するRAIDレベルであり、商標登録されている。
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