「RAID」はストレージのデータを保護するための基本となる仕組みだ。標準と非標準を含めて、さまざまなRAIDの種類がある。どのような違いがあり、適する手段をどのように選択すればよいのか。
「RAID」(Redundant Array of Inexpensive Disks)は、HDDのデータを保護するための仕組みだ。複数のHDDを組み合わせて、1台のHDDのように運用する。近年はSSDでRAIDを構成することもある。
RAIDには仕組みに応じて定義された各種のレベルがあり、データ保護の安全性、アクセス速度などのパフォーマンスへの影響、コストなどに違いがある。まずはRAIDの基本的な仕組み、レベル別の定義、レベルを選択する際の判断基準などを押さえておこう。
「RAIDレベル」とは、RAIDの各種類を定義する呼称だ。RAIDレベルの数は、以前はそれほど多くなかったが、ストレージ技術の進化に伴ってRAIDレベルの数が増加してきた。
まずRAIDとは、個々のHDDをグループ化する方法だ。RAIDでは、複数のHDDを1つの論理ドライブ(論理的に構成するストレージ)として表す。論理ドライブの領域は、論理ユニット番号(LUN)で呼ばれる。LUNは、記憶領域を識別するための番号となる。
RAIDは、これを代替する新たなストレージ技術が台頭する中でも、依然としてデータを保護するための主要な選択肢となっている。RAIDの代替手段の一つとして「イレージャーコーディング」がある。イレージャーコーディングは数学的関数を使用してデータをあらかじめ冗長性を含む形に変換し、分割して保存しておく技術だ。一般的にはRAIDよりコストがかかる。そうした代替技術が登場する中でも、ストレージベンダーは自社製品においてRAIDの機能を提供している。
それぞれのRAIDレベルの違いと、長所を理解することが重要だ。
これだけのRAIDレベルがあるにもかかわらず、一般的に使用されているのは一部だけだ。以下のRAIDレベルがよく使われる。
RAIDレベルは「標準」「非標準」「ネスト」の3つに大きく分類できる。
どのRAIDレベルを採用すべきなのかは、パフォーマンスと冗長化の要件によって異なる。標準のRAIDレベルの中では、RAID 0がアクセス速度が最も高速で、RAID 1が最も信頼性が高い。RAID 5は両方のバランスが取れている。求める冗長性の程度、データの保存期間、使用するHDD数の他に、データ保護とパフォーマンスのどちらに重点を置くかなどによって最適解を探ることになる。
次回以降は、各RAIDレベルについて詳細に解説する。
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