価格を重視した結果、SSDではなくHDDを選択するケースは少なくない。そうした選択に影響を与える存在として、アナリストはMicronが新たに提供するSSDで、200層超えNAND型フラッシュメモリを搭載したモデルに注目する。
半導体ベンダーのMicron Technologyは、200層以上に積層したNAND型フラッシュメモリを搭載した「SSD」の新モデルを提供する。あるアナリストは「メインストリームSSDの開発が十分に進んできたことを示すものだ」と評価する。これは今後のHDDの採用にも影響を与える可能性があるという。その背景にはどのような事情があるのか。
Micron Technologyの新SSD「Micron 7500 NVMe SSD」(以下、Micron 7500)は、232層NAND型フラッシュメモリを搭載したメインストリーム(または読み取り集約型)SSDだ。
調査会社IDCのリサーチ担当バイスプレジデントであるジェフ・ヤヌコビッチ氏はMicron 7500について、「コストと、読み書き性能などのパフォーマンスのバランスを考慮しており、コストパフォーマンスの良い製品だ」と評価する。企業のデータセンターやクラウドサービスをはじめ、さまざまな用途での活用が考えられるという。
Micron 7500のフォームファクターは「U.3」、インタフェース規格は「PCI Express 4.0」(PCIe 4.0)となっている。「PCI Express 3.0」(PCIe 3.0)搭載のデバイスが普及する中で、同社はPCIe 4.0の需要が高まりつつあるとみている。PCIe 4.0は、PCIe 3.0よりもデータ転送速度が高速になる。それをMicron 7500が搭載したことは、ストレージの潮流をくんだものだと言える。
調査会社Gartnerでリサーチ担当バイスプレジデントを務めるジョセフ・アンスワース氏は、Micron 7500について「ハイパーコンバージドインフラ」(HCI)の市場と照らしてみても面白いと指摘する。一般的にHCIのストレージには極端に高いパフォーマンスが求められることはない。むしろ「価格に見合ったパフォーマンスを発揮することが重要だ」とアンスワース氏は語る。
HCIベンダーは依然としてHDDを使用する傾向にある。これはパフォーマンスよりも価格を優先していることを意味するのだが、より高いパフォーマンスを必要とする場合や、パフォーマンスのためにより高い費用を支払ってもいいとユーザー企業が考える場合はどうだろうか。その場合、メインストリームSSDはHDDと競合するストレージになるという。
次回は、NAND型フラッシュメモリ市場の相場がどうなるのか、Micronの見方を紹介する。
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