ストレージのデータを保護し、パフォーマンスと可用性を向上させる仕組みである「RAID」には、要件に応じてさまざまな仕組みがある。そのRAIDレベルについて個々の特徴や、人気の仕組みを解説する。
「RAID」(Redundant Array of Inexpensive Disks)とは、複数台のHDDやSSDを1台のストレージとして運用する仕組みだ。データ読み書きのパフォーマンスや可用性の要件に応じて、さまざまなRAIDの種類(RAIDレベル)が定義されている。「RAID 3」から「RAID 5」までを含めて、基本的な特徴や、人気の仕組みを紹介しよう。
RAID 3は、データを複数のHDDに分散させて書き込む「ストライピング」と、専用HDDを使った「パリティ」(2進数の誤り検出符号)を使用する。RAIDコントローラー(RAIDを制御する装置)が生成したパリティは、データを保存しているHDDとは別の、パリティ専用のHDDに保存される。構成には最低3台の物理ディスクが必要だ。
RAID 4は、データを固定長に分割する「ブロック」の単位でストライピングを実施する。ストライピングとは、データを複数のHDDに分散させて書き込む処理を指す。複数のHDDにまたがるストライピングされたデータから生成したパリティは、パリティ専用のHDDに保存される。そのパリティは、HDDが故障した際のデータ復旧時に必要になる。
RAID 5は、データとパリティのストライピングを実施する。ストライピングを使用する他のRAIDレベルと同様、データはRAID内の全てのHDDに分散して書き込まれる。HDDの故障時にRAIDをリビルド(再構築)するために必要なパリティも、RAID内の複数のHDDに分散して保存される。
RAID 5は、パフォーマンスと可用性のバランスが取れており、最も使用されているRAIDレベルの一つだと言える。構成には最低3台のHDDが必要だ。
次回は、「RAID 50」以降のRAIDレベルを解説する。
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