Webアプリケーションの運用において、リバースプロキシとロードバランサーはどちらも重要な技術だ。両者はどのような機能があるのか。基礎から理解しよう。
クライアント(リクエストを送る側のシステムやデバイス)とサーバ間の通信を仲介する仕組みに「リバースプロキシ」と「ロードバランサー」がある。両者には重複している機能があるが、アプリケーションの要件やユースケースに応じて使い分けることが望ましい。リバースプロキシとロードバランサーにはどのような機能や特徴があるのか、基礎から解説する。
リバースプロキシは、クライアントからのリクエストを受け取り、処理するアプリケーションをホストしているバックエンドサーバ(Webアプリケーションの裏側で動作するサーバ)に転送する。
リバースプロキシは通常、独自のIPアドレスを持ち、クライアントはリバースプロキシのIPアドレスしか分からない。その先のバックエンドサーバのIPアドレスは隠蔽されており、クライアントは、リバースプロキシがクライアントとアプリケーションの間で仲介者として機能していることを知らない。こうした特性から、リバースプロキシはクライアントに設定やリクエスト方法の変更を要求することなく、バックエンドサーバへのリクエストを管理できるという利点がある。
リバースプロキシは、リクエストをアプリケーションに渡す前に、以下のようなアクションを実行できる。
ロードバランサーは負荷分散装置とも呼ばれ、リクエストを複数のインスタンスやサーバに分散させる。主な目的はアプリケーションへのトラフィック(ネットワークを流れるデータ)を動的に分散させ、以下の方法でアプリケーションのパフォーマンスを向上させることだ。
リバースプロキシと同様に、ロードバランサーの存在も、通常はクライアントから見えない。クライアントからは直接アプリケーションにリクエストを送信しているように見える。
次回はリバースプロキシとロードバランサーの特徴や違いを比較して解説する。
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