2011年08月29日 09時00分 UPDATE
特集/連載

ホワイトペーパーレビュー医療機関のIT導入事例を紹介した3つのホワイトペーパー

他分野よりもIT化が10年遅れているともいわれる医療分野。しかし、政府のIT戦略本部が2010年、3つの重点戦略の1つとして医療分野を位置付けるなどそのIT化が今後急速に進むと考えられる。

[翁長 潤,TechTargetジャパン]

 本稿では、TechTargetジャパンのホワイトペーパーダウンロードセンターに登録されているホワイトペーパーの中から、医療機関のIT活用事例を紹介したコンテンツを紹介する(関連記事:医療機関で導入が加速するITシステムとは?)。

大量データの解析を支えるデータウェアハウス基盤

聖路加国際病院膨大な診療情報のデータ分析用システムを構築

photo 提供:サイベース(2ページ)

 このホワイトペーパーでは、聖路加国際病院(東京都中央区)が2010年に実施したデータ解析システムの再構築事例を紹介している。同病院のデータ解析システムは2003年に一般的なRDBMSをベースに構築され、電子カルテの診療統計やオーダリングシステム、医事系システムなどのデータを蓄積。同病院の医療情報センターが医師などから依頼を受け、対象データを抽出・加工する二次利用DBとして利用してきた。しかし、対象データ量の増加やRDBMSの性能により、データ抽出・加工処理に最大で14日間もかかってしまうという課題を抱えていた。

 そこで、聖路加国際病院では、データ抽出や検索時間の短縮などを目的にデータウェアハウス(DWH)基盤の導入を検討して、実証実験を踏まえて「Sybase IQ」を採用。Sybase IQをベースにしたDWH基盤は2010年4月に実稼働を始めた。Sybase IQ導入によって、データ抽出における性能が向上した他、1日当たり約20万件発生するデータをデータ圧縮機能によって全データを格納できるようになったという。このホワイトペーパーでは、DWHを導入した効果を医療情報センターの担当者の声を交えて紹介している。

 各モダリティの性能が向上したことで、統計・解析に使用するデータ量は飛躍的に増えている。システム再構築の参考になる事例だといえる。

地域医療連携の基盤となるプラットフォーム

オープンな標準技術による地域医療の連携と可用性の高いデータセンターの構築

photo 提供:デル(4ページ)

 このホワイトペーパーでは、相澤病院(長野県松本市)が地域医療連携の拠点として2008年にデータセンターを自院で構築した事例を紹介している。1999年のオーダリングシステムの導入を皮切りに医療ITの導入を進めている同病院は、2001年に長野県で初めて「地域医療支援病院」の承認を受けた。

 相澤病院が主導し取り組んでいる地域医療連携は、電子カルテや検査画像などの診療情報を地域の診療所や調剤薬局と共有することだ。そこで同病院は、デルのコンサルティングサービスを利用し、インターネット経由で情報の連携や共有が可能な基盤を構築した。2008年の段階で130以上の診療所、調剤薬局と診療情報のリアルタイムな共有を実現している。このホワイトペーパーでは、データセンターを利用した地域医療連携のメリットや、相澤病院の情報システム部門担当者や診療所、調剤薬局の声などを紹介している。

 地域医療連携の促進には、ITを利用した情報連携基盤が不可欠だといえる。その構築事例の1つとして参考になるだろう。

増加するシステム運用管理の負荷を軽減

医療現場の成功事例からみる「ネット接続機器の運用管理とセキュリティ対策」とは

photo 提供:PFU(3ページ)

 医療分野では、専用端末だけでなくiPadやAndroid端末などの汎用的な携帯端末の利用も進みつつあり、多様化する利用端末の運用管理やセキュリティ対策が今後、さらに求められる(関連記事:スマートフォンの利用で患者治療の効率はどう改善されるか)。

 このホワイトペーパーでは、札幌東徳洲病院がネットワーク環境やシステムの運用管理などを効率化した事例を紹介している。札幌東徳洲病院では、情報系ネットワークと医療系ネットワークの2つのネットワークを運用していたが、それぞれ運用管理やセキュリティ面での課題を抱えていた。約200台のPCが常時接続される情報系ネットワークではそのうちの140台が医師やスタッフの持ち込みであり、セキュリティを確保した運用が難しかった。また医療系ネットワークでは、電子カルテやオーダリングシステムなどの基幹系システムの情報を参照する回診用ノートPCや専用デバイスのセキュリティ対策に担当者の多くの工数が割かれていたという。

 そこで札幌東徳洲病院では、不正PC検知・遮断アプライアンス「iNetSec Patrol Cube」を導入し、セキュリティを確保したネットワーク環境の構築とシステム運用管理の効率化を目指し、2段階の改善策を実施した。このホワイトペーパーでは、札幌東徳洲病院が実施した対策の詳細とその効果などが紹介されている。

 今回紹介したホワイトペーパー以外にも、ホワイトペーパーダウンロードセンターでは、技術文書や製品資料、事例紹介など医療ITに関するホワイトペーパーや製品カタログを掲載している。ぜひダウンロードしてご活用いただきたい。

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