医師が臨床現場でスマートフォンを利用するメリットとは何か? 3つの具体例を紹介しながら考えてみよう。
かつて通信機能がないスタンドアロンのPDA(携帯情報端末)が使われていた時代を覚えているだろうか? 私は今でも、米Appleの初代「Newton MessagePad」を片手に病院内を歩き回っていたことを覚えている。その後登場した「Palm Pilot」は医療従事者や医学部学生らの間で直ちに人気のツールとなった。それはPalm Pilotのおかげで薬の投与量を覚える必要がなくなり、医薬品データベースにもすぐにアクセスできるようになったからだった。こうしたモバイル端末にはさらに、何千冊分もの書籍や医療リファレンスガイドの内容も保存できた。つまり、紙の書籍をPDA上の電子書籍に置き換えられたおかげで、われわれの白衣は非常に軽くなったというわけだ。
今日、時代はスマートフォンへと移行しつつあるが、臨床の現場ではスマートフォンを使わずにいる医師が依然として多い。医師の周りには既に多くのテクノロジーがそろっているというのが、その理由の1つだ。
実際、病院では電子カルテ(EHR)や医師向けオーダーエントリ(CPOE)システムの導入が進み、臨床現場で働く医療従事者はPCからiPadまでさまざまな端末に囲まれ、豊富な情報にすぐにアクセスできる環境に置かれている。
主に外来診療に従事している医師もまた、デジタルの時代へと移行しつつある。ただし、こちらの変化のペースはゆっくりで、多くの医師は依然として、診察室では紙のカルテを使用している。もっとも、こうした外来診療の現場もゆくゆくはコンピュータベースとなり、医師は診察室で複数のコンピュータやモバイル端末を扱うようになるはずだ。
では、医師が既にコンピュータに囲まれている(あるいは今後そうなるであろう)ということは、スマートフォンの利用にとって何を意味するのだろう? 実際のところ、臨床現場でスマートフォンを利用するメリットは進化の過程にあるようだ。3つの具体例を紹介する。
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