相澤病院とNTT東日本が、医療機関に蓄積された診療情報を時系列で表示する地域医療連携システムを共同開発し、トライアル運用を開始した。
長野県松本市の社会医療法人財団慈泉会 相澤病院(以下、相澤病院)とNTT東日本は6月10日、共同実施してきた地域医療連携基盤「タイムライン連携システム」の開発が完了し、同日から松本地域の診療所と連携する運用トライアルを開始したと発表した。
タイムライン連携システムは、相澤病院とNTT東日本が日本大学医学部 社会医学系 医療管理分野教授 根東義明氏の協力の下に開発した地域医療連携基盤。連携医療機関が保有するベンダーや仕様が異なる電子カルテに蓄積された医療情報を結合し、患者の同意の下に病歴や処方歴、検査歴などの情報を医療機関が参照するシステムだ。
相澤病院 理事長・院長 最高経営責任者 相澤孝夫氏は「このシステムを利用することで、医師は一覧表示された過去の診療行為と、それに伴う患者の病態変化を経時的かつ正確に把握できる。また、それらを踏まえた治療計画の作成、症例研究への活用が可能になる」と説明した。
根東氏によると、ベンダーや仕様が異なる電子カルテシステムに蓄積された医療情報を時系列上で結合したり、表示したりする形式は国内で初めだという。根東氏は「地域医療連携では、医療情報の標準化とともにユーザーインタフェースの最適化が重要課題である」と語った。また、診療情報提供書などの文書形式でサマリーを体系的にファイリングする従来型の情報統合や表示方法では「記載されている重要な情報項目を把握するためには、個々のサマリーを網羅的に閲覧する必要があり、実用的とはいえない」と説明した。その上で、タイムラインビュワーでは「瞬時に情報全体をふかんし、詳細を把握できる。患者、看護師や薬剤師などの医療従事者と共に治療方針を確認しながら、診療することが可能だ」としている。
相澤病院とNTT東日本は、今回の運用トライアル開始に合わせて協定を締結し、今後のシステム改善や連携医療機関の拡大などでも協業する。今回のトライアルではデータ管理サーバを相澤病院に設置し、運用トライアル開始時の連携医療機関はエヌ・ティ・ティ エムイーの診療所向けSaaS(Software as a Service)電子カルテ「Future Clinic 21 ワープ」を導入している8診療所が対象となる。その後、順次、相澤病院を中心とする日常生活圏内の 医療機関に参加を呼び掛け、トライアル終了予定である2012年3月末までに4病院、94診療所、16薬局まで参画機関を拡大させる予定。
またNTT東日本では、NTT東日本関東病院を始めとするグループ内病院にこのシステムを展開するとともに各地域での導入事例を増やしていくとしている。
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