IntelとMcAfeeが次世代セキュリティ技術を披露
Windows 8にも対応したハードウェアレベルのセキュリティ基盤「DeepSAFE」
McAfeeを買収したIntelが、OSの下のハードウェアで機能するセキュリティ技術を披露した。これまでのセキュリティ対策とは別アプローチを取る戦略の詳細を明かす。
米Intelが、新たなハードウェアベースのセキュリティプラットフォームのデモを実施した。これはセキュリティ対策の進化における次の段階を体現するものになるかもしれないと説明している。
サンフランシスコで開かれたIntel Developer ForumでIntelは、同社の半導体にセキュリティを組み込むためのセキュリティプラットフォーム「McAfee DeepSAFE」の一端を披露した。同プラットフォームはMcAfeeがOSの下でセキュリティソフトウェアを実行し、rootkitなどのマルウェアを検出できる設計になっている。Intelによると、こうしたマルウェアは従来型のOSの防御の仕組みを容易にかわすことが可能だという。
こうした技術はデスクトップPC、ノートPC、スマートフォンから装置を動かしている小型の組み込み端末に至るまで、幅広い利用が想定される。しかしMcAfeeもIntelも、まずこの技術をどう応用するかについては詳細を明らかにしなかった。
Intelの企業戦略担当上級副社長、ビマル・ソランキ氏によると、DeepSAFEプラットフォームはIntel傘下のセキュリティ企業McAfeeの技術であり、これを使ってIntelのチップに接続する専用の製品を開発予定だという。McAfeeは2010年、Focusユーザーカンファレンスで、チップへのセキュリティ統合は同社の製品戦略において重要な位置を占めると話していた。
ソランキ氏は「OSの下を通ってシリコンと直接接することにより、まったく新しい視野が開ける。OSに振り回されることなくセキュリティを提供できる」と解説する。
McAfeeは既存の製品を強化しながら新機能を提供できるようになると同氏は言い、この新製品はIntelの新しいチップセットを搭載していなくても利用できると言い添えた。「最近買ったPCであれば、既存のハードウェアを使ったソリューションを提供する」
同氏によると、Intelは他のセキュリティソフトメーカーにもIntelのチップセットへの接続を実現してもらうため、DeepSAFEに使われている機能を提供してきたという。DeepSAFEではMcAfeeがCPUのイベントを監視できる設計を採用。Intel Core i3/i5/i7プロセッサとvProプラットフォームに搭載されたVTx技術を使ってこれを実現した。「DeepSAFEが活用しているシリコン機能は既にオープンに提供されている」とソランキ氏。
DeepSAFEは米MicrosoftのWindows 7に対応している。次期OSのWindows 8にも対応できる見通しで、McAfeeは米GoogleのモバイルプラットフォームAndroidに対応したバージョンの開発も進めている。DeepSAFEは過去20年で最大級のセキュリティイノベーションかもしれないとソランキ氏らIntel幹部は胸を張るが、それほどの発表ではないとみる業界関係者もいる。
「そう主張できるほどの詳細がまったく明らかになっていない」と話すのは、米Current Analysisのエンタープライズネットワーク/セキュリティ担当調査ディレクター、アンドルー・ブラウンバーグ氏。「これは製品ではなくテクノロジーだと同社は言っており、われわれは具体的にどんなものが出てくるのか様子見の状態だ」
Intelは2010年、McAfeeを77億ドルで買収した。それ以来、McAfeeのデイブ・デウォルトCEOは、IntelのチップセットにMcAfeeの技術を組み込む方法に取り組むと表明してきた。3月の投資家向け説明会では、小さなフットプリントで企業ネットワークへの不正アクセスに利用される可能性のある端末を見通せる手段を見つけることが目標になると述べていた。
デウォルト氏は投資家に、Intelが2009年に買収したWind Riverと緊密に連携するとも説明した。同社はプリンタ、ATM、ネットワークゲートウェイ、衛星システム、モバイル端末といった組み込みシステム向けのOSソフトウェアを手掛ける。小フットプリントで実行でき、ハードウェアベースの暗号機能を利用できるWind Riverの技術をDeepSAFEが使っているのかどうかは不明だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[サイボウズ株式会社] DXに必要な「Dスキル」「Xスキル」を持った人材を育成するには? -
市場調査・トレンド
[サイボウズ株式会社] データで見る、DXが「順調に進む企業」と「つまずく企業」の違い -
製品資料
[サイボウズ株式会社] 賛否が割れがちな「Notesからの移行」 新環境への移行を納得してもらうには? -
事例
[ServiceNow Japan合同会社] 農林中金に学ぶ内製開発 処理効率を約2倍に高めAI活用も加速させた方法とは? -
事例
[ServiceNow Japan合同会社] NTTグループのデジタル変革術、17万人が利用する決裁プロセス刷新の全貌
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「VMware離れ」は本当か 3000社がVCF 9にかじを切った現実的な理由
-
2
「ITインフラとデータ保護・バックアップ対策」に関するアンケート
-
3
MS月例パッチが1000件突破 人手不足の情シスを襲う「月1回メンテ」の崩壊
-
4
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
5
「Microsoft 365」が乗っ取られる 跡形もなくMFAを破る手口
-
6
「Microsoft一択」で本当にいいのか 知らぬ間にライセンス費用が膨らむ真相
-
7
「Linuxサーバの長期運用とRed Hat Enterprise Linux」に関するアンケート
-
8
「企業内サーバ環境の利用実態」に関するアンケート
-
9
「AI活用を前提とした業務PCへの移行」に関するアンケート
-
10
Microsoft製品でここまで自動化できる 情シスがやめられる手作業10選
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
生成AIのハルシネーションを防止 回答精度を高めるセマンティックレイヤーとは
-
2
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
3
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
4
AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
-
5
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
6
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
7
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
8
マンガで解説:「ゼロトラスト」「SASE」の必要性とメリット
-
9
5分で分かる「セキュア大容量ファイル転送サービス」の機能とメリット
-
10
情報セキュリティ対策早分かりガイド:25の自社診断で弱点と解決策を理解
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー