Stuxnetなど、今後脅威が増すであろう産業システムや組み込み機器の脆弱性を狙う攻撃への対策として、マカフィーとウインドリバーは戦略的に製品統合を進める。
マカフィーとウインドリバーは2月18日、組み込み機器やモバイル端末などの非PC向けセキュリティソリューションの開発、販売、サポートを共同で進める戦略的合意をしたと発表した。
今後両社は、ウインドリバーの組み込みLinux「Wind River Linux」とマカフィーの各種製品を統合。組み込み機器向け仮想化技術など、ウインドリバーの他技術とも随時統合を進める。また、ウインドリバーでは今後リリース予定の製品にマカフィー製品を搭載することも予定しており、OEMメーカーはセキュアな端末をより容易に構築可能になるとしている。
携帯電話、テレビ、スマートフォンなど、ネットワークに接続する機器の数はここ数年で飛躍的に増加している。マカフィーの試算では、2020年までにその数は500億台に達するという。そこで問題となるのが、各端末の脆弱性だ。
従来、組み込み機器はネットワーク非対応か限定的対応にとどまっていたため、PCなどと比較すると開発段階でそれほどセキュリティ問題を意識する必要がなかった。だが今後は、あらゆる端末が企業ネットワークや公共のネットワークに接続する。自動車業界、防衛などの分野だけでなく、スマートグリッド、ネットワーク対応の在宅医療、ホームゲートウェイやスマートフォン、タブレットといった最新分野においてもセキュリティ対策が重要となる。2010年には産業用システムの脆弱性を狙ったStuxnet攻撃なども発生しており、標的型の組織的犯罪が表面化している。
スマートフォン狙いの脅威も徐々に表面化――ラックの2010年セキュリティ統括
2011年は標的型サイバー犯罪対策とモバイル端末管理が重要――シマンテック
「Android狙いのマルウェアに注意」 EMCの2011年インターネット脅威予測
「UTMから総合セキュリティベンダーに」 フォーティネットが示す2011年のITトレンドと抱負
こうした市場背景から今回、マカフィーとウインドリバーは、このように特異性があり、爆発的に成長している市場に向けて、専用のセキュリティおよび管理ソリューションを提供していく合意を示した。組み込み機器には、電力面での制限やメモリ、性能に関する制約といった既存のITデバイスとは異なる技術要件があり、従来のセキュリティ対策だけでは対応が困難であるとしている。
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