2012年11月02日 08時00分 UPDATE
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Windows 8はVistaの二の舞?タッチ操作対応UIに賭けるMicrosoftの思惑とユーザーの評価

「タッチ操作対応ユーザーインタフェースを、どの端末にも適用する」というMicrosoftの判断は、本当にユーザーの立場に立って考えられたものなのだろうか。

[Stuart J. Johnston,TechTarget]

タッチ操作対応端末へのアップグレードコストが大きな負担に

 「Windows 8では、どの端末にも同じユーザーインタフェース(UI)を適用する」という米Microsoftの戦略が、多くの企業のIT担当者を悩ませている。問題の1つは、Windows 8のタッチ操作対応UIをサポートするために、既存の端末をより高価なタッチ操作対応の端末にアップグレードするコストが掛かることだ。たとえそれが1端末当たり50〜100ドルであっても、大企業にとっては痛い出費になる。それにも関わらず、MicrosoftはデスクトップPC、ノートPC、スマートフォンタブレット、さらには組み込みアプリケーションに至るまでタッチ操作対応UIを採用している。

 もちろんWindows 8はキーボードとマウスでも操作できる。しかし、あくまでもタッチ操作を基本とした設計だ。これはハードウェアへの投資予算に影響し、多くのWindowsユーザーに敬遠される原因になるはずだ。それに端末への投資予算が増大するとなれば、IT予算が逼迫している多くの組織が、タッチ操作非対応のハードウェアを選ぶ可能性も出てくる。だが、それではWindows 8の大きな特徴を帳消しにすることになる。

 調査会社の米Enderle Group 主席アナリストのロブ・エンダール氏はその点を受けて、「当面の間、大半の企業はデスクトップPCにはWindows 7を使い続けるだろう。ユーザーは新しいインタフェースの使い方を自主的に学ぼうとはしないものだ」と話す。米ダートマス・ヒッチコック医療センターのシニアシステムエンジニア ロブ・マクシャインスキー氏も、「医療センターのアプリケーションとWindows 8の互換性を確認できるまでは、ダウングレード権を使ってWindows 7を利用するだろう」とコメントする。

スマートフォン/タブレット市場のシェア獲得を狙ったUIが、ユーザーに負担を強いる

 企業のIT担当者を悩ませるもう1つの問題は、トレーニングに必要なコストだ。新システムの導入時には、新しいUIに慣れるためのエンドユーザー向けトレーニングや、新システムの構成と保守に関する技術者向けのトレーニングが不可欠となる。Windowsライセンスに関するコンサルティングを行っている米Pica Communicationsのポール・デグルート氏は、「特にエンドユーザー向けのトレーニングは巨額の投資になり得る」と指摘している。

 もちろん中には、「Windows 8のユーザートレーニングは、それほどの障害にはならない」という意見もあれば、「Windows 8によって、Microsoftはついに“どの端末からでも使えるWindows”というビジョンを実現する」と評するユーザーやアナリストもいる。例えば米ロッキーマウンテンWindowsテクノロジユーザーグループのデニス・マーティン会長は、「トレーニングは必要だが、従来のUIと100%異なるわけではない」と言う。

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