2012年08月17日 08時00分 公開
特集/連載

“クールさ”でAppleに完敗のMicrosoftは本当に敗者なのか?Microsoft vs. Apple、水面下の戦い

多くの面で対照的なMicrosoftとApple。近年は話題性でAppleに後れを取っているが、それでもMicrosoftは巨大な影響力を持っている。YammerやSurfaceはMicrosoftに何をもたらすのか?

[Christina Torode,TechTarget]
Christina Torode Christina Torode

 米Microsoftが何か行動を起こすと、その思惑には必ずさまざまな臆測が飛び交う。最も新しいところでは、同社のタブレット端末「Surface」とYammer買収にまつわる臆測だ。Microsoftは、クラウド(Azure)や仮想化Hyper-V)など多くの分野では「後手」に回ってきた。Yammerの買収により、Microsoftはエンタープライズソーシャルネットワークの分野では「先駆者」になろうとしているのだろうか? Yammerをスタンドアロンのまま提供するだろうか? あるいは、非常に使いやすいと評判のYammerのコラボレーションプラットフォームに手を加えてOfficeに統合するのだろうか?(関連記事:MicrosoftのYammer買収は何を意味するのか

 MicrosoftがSurfaceでハードウェア分野に参入したことは何を意味するのだろうか。iPadに有利に対抗できるように、Microsoftに非協力的なOEMパートナーに圧力をかけるためだろうか? はたまた、長きにわたるMicrosoftとAppleの戦いにおける新しい攻撃にすぎないのだろうか? 個人的には後者が正解だと思うが、Microsoftが望んでいるのはタブレット市場におけるAppleのシェアというよりも(もちろんシェアも狙っているが)、本命はApple製品に備わる完成されたある資質、つまり「クール」な要素だ。

 しかし、必ずしもMicrosoftがAppleを追いかけていたわけではない。Microsoftは、かつては(ほぼ間違いなく現在でも)注目の的であり、まねされる側の会社だった。同社のOSを中心に、ソフトウェアとハードウェアのエコシステムが形成されてきたことを忘れてはならない。新しいOSの発表に伴う狂騒の渦は定例行事の1つだった。TechEdや Microsoft Management Summitなどのイベントでは、会場に渦巻く熱狂的な空気にいともたやすく飲み込まれたものだ。まるで伝道者の意を受けるがごとく、参加者が「YES!」と叫んでいたことを覚えている。

 Server Coreなどに関する重要なセッションの後には、参加者同士がハイタッチをする光景も見られた。記者は、あらゆる手を尽くして新しいOSの機能を真っ先にスクープしようと躍起になっていた。トップ自らが旗振り役をしていたころのあの盛り上がりぶりが見られなくなり寂しい。そんな場面を見たことがない読者は、2000年のMicrosoft創立25周年イベントで、開発者を熱狂させたスティーブ・バルマー氏のこの映像を見てほしい。そしてこれを12年後(2012年)のSurfaceを発表したときのバルマー氏と比べてみよう。興奮を巻き起こすという意味では、すっかり勢いがなくなっていた。

ITmedia マーケティング新着記事

news154.jpg

孫消費急減、女性のLINE利用増――ソニー生命「シニアの生活意識調査2020」
毎年恒例の「シニアの生活意識調査」。2020年のシニアの傾向はどうなっているでしょう。

news137.jpg

米大統領選を巡る「アプリ対決」のゆくえ 「Trump 2020」 vs. 「Vote Joe」と「TikTok」 vs. 「Triller」
米国では2020年月の大統領選挙を前に選挙戦がますます活発化しています。関連するアプリ...

news143.jpg

店舗の滞在時間が減少、「20分未満」が約1.5倍に――凸版印刷とONE COMPATHが5万人買い物調査
電子チラシ「Shufoo!」を利用する全国の男女5万人を対象に実施した買い物に関する意識調...