ネットワークの未来がソフトウェアによって定義されることはほぼ確実だ。だがCiscoはこの動きに乗り遅れていると市場関係者は指摘する。
Ciscoのハードウェアは世界中で大多数のエンタープライズネットワークのバックボーンを構成する。しかし世界は変化しつつあり、多くのバイヤーはもはや、コンピューティングとストレージ、ネットワークを孤立した存在とは見なさなくなった。その時代の終わりはクラウドだけでなく、ビッグデータやモバイルやソーシャルメディアによって加速されてきた。ネットワークの未来は未知数だが、ソフトウェアによって定義されることにほぼ疑いはない。そして市場関係者は、世界に広大な足場と既得権益を持つCiscoがこの変化に乗り遅れていると見る。
ネットワークバイヤーがネットワークソリューションを大手サプライヤーから購入する際、そうした大手が自社の既得権益をどう守っているかを考慮しなければならない。そのサプライヤーがCiscoであれ、Hewlett-Packard(HP)であれ、JuniperやAvaya、あるいは同規模の企業であっても同じことがいえる。
ネットワークに対する新しいアプローチを支持する側は、基本的なアーキテクチャが1990年代初めから変わっておらず、その状態が続くのは非現実的だと主張する。DellのOro部門のアナリスト、アラン・ウェッケル氏は最近のブログで、顧客は既存のネットワークサプライヤーのソリューションから離れ、ネットワークのアップグレードに際してアップグレードの速さはもはや問題にならないと判断していると指摘。ネットワークサプライヤーが確保した収益は、全て最初から確保し直さなければならないと記した。
代替サプライヤーを探し始めるバイヤーが増えていることは、恐らく驚くには当たらない。Gartnerの調査ディレクター、アンドルー・ラーナー氏によると、主流層のSDN(Software-Defined Network:ソフトウェア定義ネットワーク)に対する姿勢は、例えて言えば、購入の意思をはっきりさせないまま車のタイヤを蹴っているような状態にある。米国で2014年6月に開かれたセッションでは、多くが関心を持ちながら、レガシーネットワークオーナー、特にCiscoのコンセプトを中心とするマーケティングが強まるのを待っている状態にあることが分かった。
予算を握っているネットワークスペシャリストが組織内の別の場所から、なぜ自分たちの需要に対応できないのかと尋ねられるようになれば、真の動きがあるだろうとGartnerは予想する。しかし大手サプライヤー以外に目を向ける意思があれば、あるいは積極的に探そうとすれば、選択肢はある。
Computer Weekly日本語版 4月1日号:実用化が進むバーチャルリアリティ
Computer Weekly日本語版 3月18日号:コンピュータ教育最大の課題は?
Computer Weekly日本語版 3月4日号:Windows 10で試されるIT部門
SDNの新興企業Plexxiは、ネットワークからアプリケーションおよびデータ中心の世界へと移行するネットワーク業界に目を向けている企業の1つだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
IoTという言葉は知っているものの、ビジネスの場でどのように活用すればよいのか分からないという声も多い。こうした声に応えるべく、IoTの基本的な概念から、IoTデバイスの選定・導入時に押さえておきたいポイントまでを解説する。
DXやIoTという言葉は知っているものの、それが何を意味し、ビジネスの現場にどのように採り入れられているのか分からないという声は意外と多い。そこで、DXとIoTについて、基本知識から実現方法まで詳しく解説する。
インターネットVPNサービスの市場規模は増加傾向にあるが、パフォーマンスやセキュリティなどの課題が顕在化している。VPNの利用状況などのデータを基にこれらの課題を考察し、次世代インターネットVPNサービスの利点と可能性を探る。
ネットワークに関して、「環境の構築・運用管理に手間やコストがかかる」などの課題を抱える企業は多い。そこで注目されているのが、1つのプラットフォームによる管理で運用負荷低減やトラブル対応効率化を実現するソリューションだ。
現代のネットワークには組織ごとに多彩なニーズが求められる。それらに応えるためのネットワーク環境を構築するには大きな手間がかかる。本資料では仮想化技術の採用でマルチテナント型の高速ネットワーク環境を構築した事例を紹介する。
もし“キーマン”がいなくなったら? 属人化しないデータセンター運用の作り方 (2025/3/18)
多拠点ネットワークの苦悩「セキュリティ、運用負荷、コスト」をどう解消? (2025/2/20)
LANケーブルではもう限界 構内ネットワークに「光ネットワーク」という選択肢 (2025/1/14)
DX時代のIoTに起きている課題 スマホとエッジデバイスの新たな役割とは (2025/1/7)
脱VPNなんて一気には無理──忙しすぎる情シスの“起死回生の策”は? (2024/12/25)
お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。
コンテンツSEOは「外注」と「内製」のどちらが正解? 判断基準と使い方を徹底解説
「コンテンツSEOを始めたいけれど記事作成に時間がかかりすぎる」「社内で記事を書いてい...
イーロン・マスク氏が仕掛けた究極の「X」生き残り戦略 xAIによる買収で何を期待?
イーロン・マスク氏は、xAIがXを330億ドルで買収したと発表した。