FordとMicrosoftが再びタッグを組み、FordのコネクテッドカーのバックボーンにMicrosoft Azureを採用するという。自動車がネットに接続されることで、何が生まれるのか?
大手自動車メーカー、米Ford Motor(以下Ford)は米Microsoftと提携を結び、同社のコネクテッドカー(ネット接続型自動車)計画に「Microsoft Azure」クラウドプラットフォームを採用して事業拡大を図っている。
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パートナーシップでつながった両社は、新会社Ford Service Delivery Networkを共同で設立。車両を制御するソフトウェアの更新プログラムを無線ネットワークで配信して、パフォーマンスの向上を目指す。
これまで、ソフトウェア更新プログラムの配布はもっぱらUSBで接続するメディアに(ファイルを)格納する方法で実施してきた。
無線ネットワークで自動車の車両制御ソフトを更新するシステムは、2015年後半に本格稼働を開始する見込みだとMicrosoftは説明する。このシステムでは、車の所有者が自車の現在位置や車両の状態をリモートでいつでも監視できる。例えば燃料計の数値やタイヤの空気圧、バッテリーの状態もチェックできる。
カナダを本拠地とする通信社Reutersの報道によると、Fordでコネクテッドカー部門の責任者を務めるドン・バトラー氏は、このテクノロジーによってドライバーが各自で運転のクセを把握するためのデータを収集するという(画期的なサービスを実現する)道が開けると期待を寄せている。
「このシステムが稼働すれば、われわれは顧客であるドライバーのユーザー体験をより深く理解することができる。(運転に関する)情報の収集に当たっては、事前に顧客に趣旨を説明して許可を得る」と同氏は語る。
Microsoftで全世界の製造業界の顧客を担当するシニアディレクター、サンジェイ・ラビ氏は、コネクテッドカー事業のための企業間提携を発表したブログにこんな記事を投稿した。「新サービスの基礎を成すものとして当社のAzureが選ばれた理由は、将来Fordの顧客層が拡大した場合に、その要求に応じて自在にスケールアップできるからだ」
ラビ氏の記事には、さらに次のような記述もある。「当社はクラウドプラットフォームでこのサービスの全世界展開をサポートするために必要な、拡張性とセキュリティの保証をFordに提供する。Azureのデータセンターは世界各地に幅広く展開しているので、世界中のどんな場所でも走り続けるFordの車を支えるバックボーンとなる」
ラビ氏によると、Microsoftは他の自動車メーカーとも協業を進めて、コネクテッドカー事業の成長を後押ししているという。
「当社は最近、自動車メーカーが自社のブランドとデータを活用して顧客との新しい関係を構築するのを支援することに注力している。われわれはクラウドプラットフォームからデータアナリティクス機能、ソフトウェアの配布までを担当することでコネクテッドカー事業のイノベーションを支えている。こうした活動を通して、あらゆる面でより明るい顧客体験を提供できる」
「当社はテクノロジーパートナーとして、これからも自動車業界が『モバイルファースト、クラウドファースト』の風潮を乗用車に応用するのを支援していく」(ラビ氏のブログより)
実は、FordがMicrosoftと協業するのは今回が初めてではない。
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