IoTやDockerにも乗り出した
Microsoft Azure、2015年の“覚醒”、AWS対抗の注目アップデートを見る(1/2 ページ)
「Microsoft Azure」は2015年、ポータル強化、パートナーシップ拡大、ビッグデータやコンテナ関連のアップデートに力を入れ、「Amazon Web Services」の最有力対抗馬となった。
「Amazon Web Services」(AWS)を展開する米Amazon Web Services(以下、Amazon)は、クラウド市場の支配者として圧倒的な存在感を示し、失速する兆しは全く見えない。しかし2015年は、米Microsoftのパブリッククラウド「Microsoft Azure」(Azure)が群れの中から頭角を現し、市場の明確な二番手に踊り出た年だった。
MicrosoftはAzureにビッグデータやコンテナを重視した機能など、さまざまな新機能を追加した。同社はエンタープライズ市場での自身の経験を生かして、データセンターの削減を目指す大企業に向け、Amazonの最も有力なライバルになろうとしている。2015年にAzureに施された最も重要なアップデートの一部を紹介する。
Azure Data Lake、IoT Suite、そしてビッグデータ
Microsoftは2015年、クラウドにある膨大なデータセットを処理する既存サービスに数々の新機能を追加し、また改良を加えることによって、ビッグデータに向けて大きな一歩を踏み出した。
まず、Microsoftは2015年4月に「Azure Data Lake」を発表した。低レイテンシで大量のデータを扱えるため、単一アカウントで保存可能なデータ量に制限のない「Hadoop」ファイルシステムの構築が可能。「このサービスは、『Azure Stream Analytics』と同様、2015年にMicrosoftがAzureに施した最良のクラウド強化策の1つだ」と、米調査会社Forrester Researchの主席アナリスト、デーブ・バートレティ氏は語る。
「これらの機能強化は大規模データセットを扱うための優れたアップデートだ。データサイエンティスト以外の人々にとっても、すぐに利用できる使い勝手の良い分析サービスであり、安価なビッグデータ分析が可能になった」と同氏。
同社がAzureに追加したその他の関連サービスには、「Azure Internet of Things(IoT) Suite」」「SQL Data Warehouse」、そしてサーバおよびストレージ用の高性能な「GシリーズVirtual Machines」がある。「ビッグデータがらみで相次ぐアップグレードは、予測モデリングや問題修正などに大きな可能性を秘めている」と指摘するのは、MicrosoftパートナーでITコンサルタント会社の米eMazzanti Technologiesでクラウドサービスチームを指揮するマーク・クラウソン氏である。
「Azureが展開する新しい機能についていくのは、ほとんどフルタイムの仕事に近い」とクラウソン氏。「過剰ともいえるツール、スタックへの終わりなき機能追加だ」
1つの強力なツールというよりも複数のサービスがパッケージ化されたIoT Suiteは、あらかじめ設定されたエンドツーエンドのサービス群でデータの収集と分析を行う。同製品は「Microsoft Azure Intelligent Systems Service」上に展開され、Azure Stream Analyticsが組み込まれた。その結果、迅速な拡張、効率性を維持するためのワークフローの監視、既存ワークロードの統合化が可能になった。
使いやすさ
この1年で、Azureを進化させたのはIoT Suiteだけではなかった。事実、自動化と操作性の向上も、2015年を通してAzureの大きなテーマの1つだった。
「新しいAzureポータルで、Microsoftは目を見張る仕事をした」とクラウソン氏は語る。「ユーザーインタフェースが素晴らしい。さらに、われわれユーザーを助け、われわれの日常業務をシンプルにしてくれる付属ツール群は、今まで以上に広範なツールセットとして企業の問題を解決してくれる」
「Azure App Service」は、効率化に向けた取り組みの最良例の1つだ。ここでMicrosoftは既存のサービス群を1つのスイートに統合した。さらに同社は「Microsoft PowerApps」を発表し、さらに一歩先へと進んだ。「ビジネスアプリケーションの構築に最適化された、使い勝手のよいインタフェースが追加された」と話すのは、米調査会社Technology Business Researchの上級アナリスト、ジュリアン・フリーマン氏である。
「これによってAzureは全く新しいユーザー層を獲得することになるだろう」とフリーマン氏。「米Salesforce.comや米ServiceNow、米IBMなどの多くのベンダーは、“シチズンデベロッパー”を対象にマーケティングを展開してきたが、Azure App Serviceはこの慣例を打ち砕いたかもしれない」
旧友とのパートナーシップ
米Hewlett Packard Enterprise(HPE)と米Dellはパブリッククラウドから離れていったが、そのこと自体は、この市場に大手技術ベンダーの果たすべき役割がないことを意味するものではない。
Microsoftは再び、同社のソフトウェア製品がカバーする範囲を旧来のハードウェアパートナーたちにまで広げた。DellとHPEはいずれも、プライベートクラウドをAzureに接続するマネージドなハイブリッドサービスを発表した。
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