「DBMS」の主要製品は? 一押しポイントを整理

ユーザー企業のIT担当者を対象に、IT製品/サービスの導入・購買に役立つ情報を提供する無料の会員制メディア「TechTargetジャパン」。このコンテンツでは、DBMSに関する製品解説の記事を紹介します。製品/サービス選定の参考にご覧ください(リンク先のページはPR記事を含みます)。

DBMS(データベース管理システム)とは

 「データベース管理システム」(DBMS)は、データベースを作成して管理するためのシステムだ。基本的には、データベースそのものと、エンドユーザーまたはアプリケーションの間のインタフェースとして機能する。エンドユーザーはDBMSを使い、データベース内のデータの作成や保護、読み取り、更新、削除ができるようになる。DBMSは一定のルールに従ってデータを整理し、簡単にアクセスできる状態に保つ。(続きはページの末尾にあります)

DBMS関連の製品解説

ITmedia × エンタープライズDB

P RJALグループが「PostgreSQL」ベースのDBMSを採用 重視した選定ポイントは?

JALグループのIT運用の中核を担うJALインフォテックは、システム刷新計画に取り組む中、最先端技術の活用を踏まえて「PostgreSQL」をベースにしたDBMSを選定した。選定ポイントやプロセスを担当者に聞いた。

(2023/4/25)

P R短期、低負荷、低コストで商用DBからオープンソースDBに移行する方法

データベース分野もオープンソースシフトの動きが活発化している。大規模システムにも耐え得る性能を有しつつ、コストも抑えられる「PostgreSQL」ベースのDBに、「短期」「低負荷」「低コスト」で移行する方法を聞いた。

(2022/11/24)
ITmedia × 日本オラクル

P R大規模データを集約し可用性も確保、ワコールが選んだ新たなデータベースとは?

新たなIT活用のため、安定性と柔軟性を兼ね備えたITインフラを必要としていたワコール。これまでもITを活用してビジネスを展開してきた同社が、オムニチャネル戦略や働き方改革などの取り組みを推進するために選択したのは……。

(2020/7/20)

P R事例で分かった あの企業がOracle Database最上位版を使う理由

定番データベースの「Oracle Database」。その中でも最上位版のEnterprise Editionは高機能で人気だ。このEnterprise Editionを活用してデータベース統合やコスト削減に取り組む企業が増えている。活用事例と、お得にEnterprise Editionを導入する方法を紹介する。

(2013/10/16)

P ROracle DB最上位版をコアにしたDBシステムを4分の1のコストで導入する方法

データベースシステムの性能や運用に不満を抱えているのなら、「Oracle Database」の最上位エディションへの移行を検討してみてはどうだろうか。導入コストを4分の1に抑え、導入・運用の手間を劇的に低減する方法がある。

(2013/5/28)
ITmedia × エージーテック

P R超高速カラム指向型エンジンと一体化した次世代データベース登場、その実力は?

主要な商用データベースは高過ぎる。でも安いだけのデータベースにも不安がある。そんな企業に知ってほしい、コストと機能のバランスが取れたデータベースが登場した。

(2017/10/2)

P R有償/無償? 「身の丈に合った」データベース製品の選定方法とは

2015年7月に@IT主催勉強会「『身の丈』『運用コスト』から考えるこれからのデータベース選定」が開催された。無駄なコストや手間が掛けず、かつ要件を満たすデータベースを選ぶコツについて紹介する。

(2015/8/6)

P ROracle、SQL Server、OSS以外のデータベース選択肢を考える

クラウドやビッグデータ活用が注目される今、データベースへのニーズは多様化している。有名商用データベースやオープンソース以外の製品も選択肢に入れ、本当に自社のニーズに合ったデータベースを選びたい。

(2012/6/13)

AIが“意味”を理解できる立役者「ベクトルデータベース」の秘密

画像や文章の「意味」を理解できるAIモデルを支えているのが「ベクトルデータベース」だ。従来のリレーショナルデータベースが抱える課題をどう解決し、何に役立つのか。

(2025/2/5)

「Oracle Database」ユーザーへのお願いから読み解くOracleの“本当の狙い”

Oracleは「Oracle Database」の古いバージョンをアップグレードするようユーザー企業に推奨している。背景にはサポート体制の継続以外にも、同社の戦略的な狙いがあるという。それは何か。

(2023/11/15)

「Oracle Database」のサポート体系が変更 料金への影響は?

Oracleは2023年6月、「Oracle Database」の「19c」よりも前のバージョンにおけるサポートの種類を変更した。Oracle Databaseを運用中の企業に影響はあるのか。Oracleの狙いとは。

(2023/11/8)

P R“独立系”技術者に聞く「OracleからSQL Server/Azure SQL Databaseへ」移行が進む理由と成功の条件とは

システム基盤の刷新は、コスト削減や新技術を採用できる半面、移行に伴うリスクもある。それ故に移行プロジェクトを確実に実施するには、事前の評価と検証が欠かせない。

(2017/5/18)

P RDBシステムの導入や刷新の前に知っておきたい「ライセンス体系」の違い

データベースシステムの運用コストを最適化させるには、ライセンスごとのコストの違いを把握する必要がある。パフォーマンス向上を目指してデータベースの刷新を図る場合も、ライセンス体系をチェックすることが大切だ。

(2016/8/9)

サポート終了の「SQL Server」、移行先の本命は“あの製品”

「Microsoft SQL Server」の各製品がサポート終了を迎える中、その移行先に最新版のSQL Server 2014ではなく、SQL Server 2012を選択するケースがある。SQL Server 2012へのアップグレードをお勧めする理由を解説する。

(2015/4/28)

P RWeb日記(簡易ブログ)でのRSS生成

Web2.0時代においては、RSSやAjaxなどXML技術を用いるのが当たり前になった。ハイブリッドデータベースとしてリリースされた「DB2 9」は、RDBとネイティブXML DBの機能を併せ持つという。Web2.0時代にその能力をいかに発揮させるべきかを探る。

(2006/12/13)

DBMSの用途と役割

 DBMSは、データの変更管理やデータベースの監視、調整、セキュリティ対策、データのバックアップと復元といった、データベースの管理に必要な作業を実行可能にする。DBMSによってはデータベース自体のアクティビティー(操作や処理)と、データベースにアクセスするアプリケーションのアクティビティーのログを取得し、監査する機能も備える。

 エンドユーザーにデータの表示画面を提供することもDBMSの役割だ。複数のエンドユーザーが、複数の場所から同一のデータを利用できるようにする。IT管理者はエンドユーザーに表示するデータやその表示方法を制限したり、1つのデータベーススキーマ(データベースの設計)に対して、複数の表示方法を用意したりできる。

 データベースに対する操作をDBMSが一手に担うので、エンドユーザーやアプリケーションは、データの物理的な格納場所やデータが配置されているストレージの種類を意識する必要がなくなる。DBMSが提供するAPI(アプリケーションプログラムインタフェース)を使用する限り、データベースに変更が加わるたびに、開発者がアプリケーションのプログラムを修正する必要はない。

 DBMSの一つである「リレーショナルデータベース管理システム」(RDBMS)では、データベースの操作に「SQL」を利用する。SQLは、データの定義、保護、アクセスを実行するためのプログラミング言語だ。

主なDBMSの種類

  • RDBMS

 RDBMSは「SQLデータベース」とも呼ばれる。データを固定のスキーマ(データ構造)を持つテーブル(表)の行として表現し、キー列の値によって関係性を定義する。高価な製品もあれば、「PostgreSQL」のようなOSS(オープンソースソフトウェア)の選択肢もある。

 主なRDBMSには、IBMの「IBM Db2」やMicrosoftの「Microsoft SQL Server」、オープンソースの「MySQL」などがある。「SingleStore」は、AI(人工知能)技術を活用したアプリケーションやシステム運用データの分析用に設計されたクラウドネイティブデータベースだ。

  • NoSQL DBMS

 NoSQL DBMSは、時間とともに変化するデータ構造に適する。ただしスキーマを管理するために、アプリケーションの改修が必要になることがある。NoSQL DBMSには主に4つの種類がある。

1.ドキュメントデータベース

 ドキュメントデータベースは、半構造化データ(厳密な構造が決まっていないデータ)を保存するためのデータベースだ。一般的に、データを「JSON」形式のドキュメントとして保存する。コンテンツ管理やモバイルアプリケーションなど、さまざまなスキーマ要件を満たす必要があるシステムに適するデータベースだ。代表例としてはMongoDBの「MongoDB」や、OSSの「Couchbase Server」がある。

2.グラフデータベース

 グラフデータベースは、データをテーブル(表)やドキュメントではなく、「ノード」と「リレーション」(関係)で表す。データ同士のつながり(関係性)を重視する特徴のために、SNSや予約システム、顧客関係管理(CRM)など、データの関連性を扱うシステムに適する。グラフデータベースの具体的な製品例として、Neo4jのOSS「Neo4j」がある

3.キーバリュー型データベース

 キーバリュー型データベースは、「キー」(識別子)と「値」(データ)を1組として保存する。この単純さから、処理速度が速く、大規模なアプリケーションの開発に向いている。具体的にはWebアプリケーションのセッション管理やキャッシング、オンラインショッピングのカートの管理などの用途がある。Redisが開発した「Redis」やDanga Interactiveが開発した「Memcached」といったOSSは、主なキーバリュー型データベースの一例だ。

4.ワイドカラムストア

 ワイドカラムストアは、一般的なRDBMSのようにテーブルとカラム(列)、レコード(行)でデータを表現しつつ、各行が異なるカラムを持つことができる。列ごとにデータを保存するため、特定の列のデータを素早く検索する処理に適している。この特徴から、レコメンデーションエンジンやカタログ管理、不正検出、イベントログ管理などの用途に適する。Meta Platforms(旧Facebook)が開発したOSSの「Apache Cassandra」やApache Software FoundationのOSS「Apache HBase」がその一例だ。

  • NewSQL DBMS

 NewSQL DBMSは、SQLを使用する新しい種類のRDBMSだ。一部のベンダーはNewSQLという名称を使わず、「分散SQLデータベース」と呼ぶ。NoSQLのような拡張性を備えると同時に、ACID特性(原子性、一貫性、独立性、耐久性)によってデータの整合性を確保する。NewSQL DBMSは、RDBMSの仕組みを持ちながら、分散処理や耐障害性の向上が可能な設計になっている。インメモリ処理の機能を備えていたり、クラウドインフラで利用できたりする点も特徴だ。RDBMSよりも機能がシンプルで軽量なため、運用や管理がしやすいという利点もある。

 代表的なNewSQL DBMSとして、Cockroach Labsが開発したOSS「CockroachDB」、Googleのデータベースサービス「Google Cloud Spanner」、NuoDBの「NuoDB」、YugabyteDBの「YugabyteDB」などが挙げられる。

  • インメモリDBMS

インメモリDBMSは、データを主にメモリ(RAM)で処理するDBMSだ。一般的なDBMSはHDDなどのストレージにデータを保存し、必要に応じて読み書きを実行するが、インメモリDBMSはそのプロセスを省略し、メモリで直接データを処理するため、応答時間を高速化できる。そのためDBMSはリアルタイムでデータ処理が求められるアプリケーションに適する。特に向いているのが、データのトランザクション処理(OLTP)と分析処理(OLAP)を同じデータベースで同時に実行するHTAP(ハイブリッドトランザクショナルアナリティカルプロセッシング)を必要とするシステムだ。HTAPはデータ処理とデータ分析の両方を、単一のDBMSで実行するための技術を指す。ただしインメモリデータベースはメモリの消費量が一般的なDBMSよりも増えるため、サーバのリソース管理が重要になる。インメモリデータベースの例として、SAPの「SAP HANA」やRedisが挙げられる。

  • 列指向DBMS

 列指向DBMSは、データをカラム単位で保存するDBMSだ。一般的なRDBMSはレコードごとにデータを保存するが、カラム指向データベースは列ごとにデータを保存するため、特定の列のデータだけを素早く検索することができる。この特徴から、データウェアハウス(DWH)のように、大量のデータを効率よく分析する用途に適する。特に同じ種類のデータが大量に格納される場合、データ圧縮の効果が高く、ストレージの使用効率の向上が見込める。カラム指向データベースの代表的な製品としては、Snowflakeの「Snowflake」やAmazon Web Services(AWS)の「Amazon Redshift」がある。

  • マルチモデルDBMS

 マルチモデルDBMSは、単一のDBMSで異なる形式や構造のデータを扱えるDBMSを指す。ユーザー企業は異なるDBMSに切り替えることなく、1つのDBMSで複数のデータ構造を管理できる。IBM Db2はRDBMSだが、列指向でデータを処理する機能も提供する。OracleのRDBMS「Oracle Database」やMongoDBなどのDBMSも、拡張機能を適用することでマルチモデルDBMSとして使える。Microsoftの「Microsoft Azure Cosmos DB」やProgress SoftwareのNoSQL DBMSの「MarkLogic」などの製品は、最初からマルチモデルDBMSとして開発された。

  • クラウドDBMS

 クラウドDBMSは、クラウドインフラで実行されるDBMSを指す。RDBMSやNoSQL DBMSなどさまざまな種類のDBMSがあり、ユーザー企業が構築や管理をする形態のものと、クラウドベンダーが運用を代行するマネージドサービスがある。

 必要に応じてリソースを拡張、縮小できる点が、クラウドDBMSの利点だ。インフラとなるハードウェアの管理が不要なため、システムの運用負担を軽減できる。Microsoftの「Microsoft Azure」やGoogleの「Google Cloud」、AWSの同名サービスなどのクラウドサービス群が、サービスの一つとしてクラウドDBMSを提供している。

  • ハイブリッドDBMS

 ハイブリッドDBMSは単一の製品で複数のデータベースエンジンを利用できるDBMSを指す。一般的に、RDBMSと複数のNoSQLエンジン、APIを組み合わせた構造になっている。例えばAltibaseのDBMS「Altibase」はインメモリデータベースとディスクデータベースの両方が利用可能なハイブリッドDBMSだ。DataStaxのハイブリッドDBMS「DataStax Enterprise」は、ハイブリッドクラウド(オンプレミスインフラとクラウドインフラを併用する形態)で利用可能なことが特徴だ。

DBMSの進化

 DBMSの関連技術は進化を続けており、データベースの構築方法やサービスの提供方法に影響を与えている。主なトレンドを紹介する。

  • オープンソースDBMSの普及
    • 調査会社Gartnerは、DBMS市場においてオープンソースDBMSのシェアが拡大傾向にあると指摘した。
    • DBMSのランキングサイト「DB-Engines」が作成したランキングでは、2014年から2025年3月時点まで、トップ5のうち3つがオープンソースまたはDBMSとなっている。
  • DBMSへの支出増加
    • Gartnerは2023年、DBMSに対する全世界のユーザー企業の支出は、2022年から2027年の間に年平均成長率16.8%で拡大すると予測した。
  • HTAPの台頭
    • HTAPは、従来別々のDBMSが実行していたデータ処理とデータ分析を、単一のDBMSで実行するための技術を指す。
    • DBMSベンダーはHTAPを実現するために、ハイブリッドDBMSの開発、提供を進めている。