Oracleは2023年6月、「Oracle Database」の「19c」よりも前のバージョンにおけるサポートの種類を変更した。Oracle Databaseを運用中の企業に影響はあるのか。Oracleの狙いとは。
2023年6月、Oracleはリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)「Oracle Database」の「19c」よりも前のバージョンに適用するサポートを、「Sustaining Support」にダウングレードした。Sustaining Supportは、Oracleが提供するサポートプラン3段階のうち、3番目に位置する。
システム保守サービスベンダーRimini Streetは、Sustaining Supportはサポートの範囲が限定的であり、本番環境では不十分な可能性があると指摘する。Sustaining Supportの価格は、上位のサポートプラン「Premier Support」と変わらないという見解を同社は示す。
Premier Supportは、Oracleが提供する最上位レベルのサポートだ。パッチ(修正プログラム)配布、セキュリティアラート、法規制の変更に基づく変更、バグ修正、オンラインサポートサービス「My Oracle Support」へのアクセスなどの特典がある。Premier Supportの1つ下のレベルが「Extended Support」で、Premier Support満了後の2、3年にわたって適用される。
システム保守サービスベンダーSupport Revolutionによると、Extended SupportはPremier Supportと同じ特典を利用できるが、2年目と3年目の料金はPremier Supportよりも割り増しになる。Sustaining Supportでは、Oracleが製品の主要アップデートとテクニカルサポートを提供する一方、セキュリティアップデートやパッチは提供しない。
Rimini Streetは、OracleがOracle Databaseのサポートを変更したことは、「Premier Supportの対象となる最新のOracle Databaseにアップグレードするようライセンス保持者に圧力を掛けている」ようだとみる。
Gartnerは、クラウドデータベース管理システム(DBMS)に関するベンダー評価レポート「Magic Quadrant」の2023年版を公開した。その中で、OracleのクラウドDBMS「Oracle Autonomous Database」に対しては、以下の特徴を備えると評価している。
「Oracleは、同社のクラウドサービスにおけるユーザー企業の支出額に基づいて、オンプレミスのサポートコストを割り引いている」とGartnerは説明する。この体系はユーザー企業にとってコスト面ではメリットになる可能性があるものの、「Oracleのライセンスと交渉手法には悪評がある」ともGartnerは言及している。この認識は企業に根付いており、その結果「Oracleのクラウドサービスは他社よりも高い」という印象が残っているという。
次回は、Oracle DatabaseをはじめとするDBMSの移行が簡単ではない理由を解説する。
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