アプリケーション仮想化ツールの「Cameyo」とGoogleのクライアントOS「ChromeOS」を利用することで、「Windows」のアプリケーションを利用可能になる。この仕組みを導入したホテルチェーンの狙いとは。
アプリケーション仮想化ソフトウェアベンダーCameyo社は、同社の同名サービスとGoogleのクライアントOS「ChromeOS」を利用し、クライアントOS「Windows」のアプリケーションを実行できる仕組みを提供している。どのようなメリットが得られるのか。英国でホテルチェーンを手掛けるVillage Hotelsの事例を基に見てみよう。
Village Hotelsは以前、Citrix SystemsのVDI(仮想デスクトップインフラ)製品を使い、仮想デスクトップを利用していた。課題は、OSを二重に利用しているような操作感があり、エンドユーザーにとって利用しづらいことだったという。Citrix製品の更改時期が到来したことを機に、Village Hotelsはエンドユーザーの端末をChromeOS搭載の端末に切り替えることを決断した。ChromeOS搭載端末への移行によって、同社は業務の生産性向上と、端末のコスト削減を見込んでいる。
「当ホテルの従業員が必要とする全アプリケーションの利用が可能でなければ、ChromeOS搭載端末の全面的な採用は不可能だった」。Village HotelsでITインフラとサービス部門の責任者を務めるダン・モーリー氏はそう話す。
同社はまず、Windows搭載のノートPCを、ChromeOS搭載端末である「Chromebook」に置き換えることから始めた。第2段階では、シンクライアントのワークステーションから、GoogleのPC「Chromebox」への置き換えに着手した。
「VDIは構築や保守に手間とコストが掛かる。その作業を避けたいユーザー企業には、CameyoとChromeOSが選択肢になる」と、米TechTargetの調査部隊Enterprise Strategy Group(ESG)でシニアアナリストを務めるゲイブ・クヌース氏は説明する。
GoogleでChromeOS関連製品の責任者を務めるナヴィーン・ヴィスワナタ氏は語る。「エンドユーザーは生産性を維持しながら、シンプルかつ安全にアプリケーションを実行する方法を必要としている」
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