アプリケーション仮想化ツールの「Cameyo」とGoogleのクライアントOS「ChromeOS」を利用することで、端末に依存せずにさまざまなアプリケーションを実行可能になる。その具体的なメリットとは。
アプリケーション仮想化ソフトウェアベンダーのCameyo社は、同社の同名サービスとGoogleのクライアントOS「ChromeOS」を使い、クライアントOS「Windows」搭載の古い端末を再利用する方法を提唱している。こうしたChromeOSの活用法にはどのような利点があるのか。
Cameyo社によると、CameyoとChromeOSを併用する仕組みは、特定のクライアント端末を利用せずに、SaaS(Software as a Service)やレガシーアプリケーションなど、さまざまなアプリケーションをインターネット経由で実行できる。
ChromeOSでCameyoが利用可能になることのメリットとして、Cameyo社CEOのアンドリュー・ミラー氏は3点を挙げる。1つ目は、物理PCのデスクトップ管理が不要になること。2つ目は、業務用アプリケーションの全てをインターネット経由で利用できるようになること。3つ目は、クラウドサービスによって最新技術の導入が容易になることだ。
エンドユーザーは、CameyoとChromeOSを利用したアプリケーション仮想化によって、アプリケーションをクライアント端末にインストールしないで利用可能になるため、構成に不備があるソフトウェアや、サポート期限の切れたソフトウェアを使用するリスクがない。VPN(仮想プライベートネットワーク)やファイアウォールを介さなくても、業務アプリケーションを安全に利用可能になるメリットも見込めるという。
こうした仕組みが必要になる背景には、企業の情報システムがますます複雑になっている問題がある。米TechTargetの調査部隊Enterprise Strategy Group(ESG)が、Cameyo社の委託で2023年5月に実施した調査によると、IT部門の回答者の半数以上(53%)が、2年前に比べて情報システムの複雑さが増したと回答した。
回答者は情報システムの複雑さが増す要因として、働き方が多様化していることに加え、以下の点を挙げた。
情報システムやIT部門の業務が複雑になると、コストの増大や業務効率の低下、セキュリティの低下といった悪影響が生じる可能性があるとESGは見ている。
後編は、CameyoとChromeOSを導入した企業の事例を紹介する。
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