2021年01月23日 05時00分 公開
特集/連載

「ChromebookでWindowsアプリを使う」がソフトで実現 もうChromebookで十分?企業のChromebook導入が進む?

GoogleとParallelsは、Chromebookの法人向けモデルでWindowsアプリケーションの利用を可能にする「Parallels Desktop for Chromebook Enterprise」を発表した。Chromebookの企業利用が広がるきっかけとなるのか。

[Mike Gleason,TechTarget]

 GoogleとParallelsは、「Chrome OS」搭載のノート型デバイス「Chromebook」の法人向けモデルで、「Windows」の仮想デスクトップを直接実行するための仮想化ソフトウェア「Parallels Desktop for Chromebook Enterprise」の提供を開始した(画面)。Parallelsの技術を利用すれば、法人向けChromebook「Chromebook Enterprise」のエンドユーザーは、Chrome OSアプリケーションとWindowsアプリケーションを、オフライン状態でも行き来できるようになる。Chromebook Enterpriseで、Microsoftのサブスクリプション形式の製品/サービス群「Microsoft 365」を使うことも可能だ。

 クライアントデバイスをWindowsデバイスからChromebookに全面的に置き換えた企業では、従業員がWindowsアプリケーションを利用することが難しかった。Windowsアプリケーションをそれほど利用しない企業であっても、顧客とのやりとりやオンラインイベントへの参加、他社とのコラボレーションの際にWindowsアプリケーションを実行する必要に迫られることがある。

 調査会社Forrester Researchのアナリスト、アンドルー・ヒュイット氏は「Chromebookを取り巻くエコシステムは発展を遂げ、ユーザー企業にとってより利用しやすくなっている」と指摘する。

画面 画面 Parallels Desktop for Chromebook Enterpriseは、Windows仮想デスクトップをChromebook Enterpriseで実行する(画面は英語版)《クリックで拡大》

Chromebook普及の壁「Windowsアプリが使えない問題」が解決したら

 Windowsアプリケーションが利用できない問題は、企業のChromebook導入を阻む障壁となっていた。ChromebookでWindowsアプリケーションを利用する従来の手法として、Webブラウザ「Chrome」でWindows仮想デスクトップにアクセスするための拡張機能がある。ただしこの手法はパフォーマンスに支障が出る。調査会社IDCのアナリスト、シャノン・カルバー氏は「抽象化の層が増えるほど、リソース消費が増大する」と説明する。

 カルバー氏によると、Parallels Desktop for Chromebook EnterpriseはChromeの拡張機能を通してではなく、Chrome OSで仮想デスクトップを直接実行する。これによりデバイスのプロセッサやメモリの消費は軽減される。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の中で従業員の一斉テレワークに踏み切った企業がPCを調達する際は、テレワーク用のPCをこの先何年も管理するコストを念頭に置かなければならないとヒュイット氏は話す。Chromebook用の管理ツールはWindowsデバイス用の管理ツールと比べると単純で、機能は少な目だ。「Chromebookの管理はモバイルデバイスの管理に近い。利用できるアプリケーションや端末の機能が少ないので、必然的に管理が単純化される」(ヒュイット氏)

Chrome OSとWindowsの同時利用が可能

 Parallels Desktop for Chromebook Enterpriseは、Windows仮想デスクトップをChromebookのウィンドウ内または全画面で表示する。オフラインでの作業も可能だ。エンドユーザーはChrome OSアプリケーションとWindowsアプリケーションを同時に実行でき、両者の間でコンテンツのコピー&ペーストもできる。いずれかのアプリケーションでクリックしたWebリンクを、Chrome OSとWindowsのどちらのWebブラウザで開くかも選択可能だ。

 仮想デスクトップでは一般的に印刷が難しい。Parallels Desktop for Chromebook Enterpriseを導入すれば「エンドユーザーがWindows仮想デスクトップを利用している最中でも、Chromebookに接続したプリンタでの印刷が可能になる」と、Parallelsのエンジニアリング担当上級副社長、ニック・ドブロボルスキー氏は説明する。Parallels Desktop for Chromebook Enterpriseは原稿執筆時点では法人顧客のみを対象としている。1エンドユーザー当たりの年額利用料金は69.99ドルだ。

 Parallels Desktop for Chromebook Enterpriseは、Googleが提供するChromebookの管理ツール「Admin Console」(管理コンソール)と連携できる。これによりIT担当者がソフトウェアライセンスを管理したり、仮想デスクトップ用のストレージ容量を設定したりすることを可能にする。ただしParallels Desktop for Chromebook Enterpriseでは、まだカメラやマイク、USBデバイスといった周辺機器は利用できない。Parallelsは、将来的にこうした周辺機器との連携機能を実装する意向だ。

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