ファイアウォールや画面転送プロトコル、VRAMの設定によっては、「VMware Horizon」の仮想デスクトップが利用できなくなる「ブラックスクリーン」問題が発生することがある。これらの問題を説明する。
前編「VMware Horizonのブラックスクリーン問題を招く『解像度』『GPO』の問題」は、VMwareのVDI(仮想デスクトップインフラ)ソフトウェア「VMware Horizon」で発生する「ブラックスクリーン」と、それを招く5つの問題のうち2つを紹介した。ブラックスクリーンは、エンドユーザーが仮想デスクトップを利用する際、画面が黒くなって接続が切断されてしまう問題だ。本稿はブラックスクリーンを招く残り3つの問題を説明する。
ファイアウォールが、クライアントデバイスの通信に必要なポートをブロックしているために、ブラックスクリーンが起こることがある。通信に必要なポートは、クライアントデバイスが仮想デスクトップに接続する際に、VMwareのゲートウェイアプライアンス「Unified Access Gateway」を経由するか、あるいは仮想デスクトップの配信を制御するコネクションブローカー「Horizon Connection Server」(Horizon接続サーバ)に直接接続するかによって異なる。それぞれの場合に適したポートを開放する必要がある。
Unified Access Gatewayの構成方法に関連する幾つかの問題が、ブラックスクリーンの原因になっている可能性もある。具体的には、Horizon接続サーバで画面転送プロトコルの「VMware Blast Extreme」および「PCoIP」(PC over IP)を無効にしていないことが挙げられる。このままだとUnified Access GatewayがHorizon接続サーバの代わりにこれらのプロトコルを処理する際に、問題が発生する可能性があるのだ。どちらもVMware Horizonの管理画面で無効にできる。
仮想マシンに割り当てたVRAM(グラフィックスメモリ)の容量が、仮想デスクトップを表示するのに足りないとブラックスクリーンの原因となる。ただしこの場合にブラックスクリーンが発生するのは、画面転送プロトコルにPCoIPを利用する場合に限られる。「RDP」(リモートデスクトッププロトコル)を使う場合は影響を受けない。VRAM不足を解消するために設定を変更した場合も、RDPを使った接続には影響しない。仮想マシンのモニター数や解像度を最大値に設定するなどして、VRAMの割り当て容量を増やすことが必要だ。
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。
新富裕層の攻略法 「インカムリッチ」の財布のひもを緩めるマーケティングとは?
パワーカップルの出現などでこれまでとは異なる富裕層が生まれつつあります。今回の無料e...
ブラックフライデーのオンラインショッピング 日本で売り上げが大幅に増加した製品カテゴリーは?
Criteoは、日本国内のブラックフライデーのオンラインショッピングに関する分析結果を発...
Omnicomが Interpublic Groupを買収 世界最大級の広告会社が誕生へ
OmnicomがInterpublic Group(IPG)を買収する。これにより、世界最大の広告会社が誕生し...