マルウェア対策は、企業が所有する端末やネットワーク、アプリケーションへのマルウェア感染を防止したり、被害を最小化したりするための取り組みだ。マルウェア対策ソフトウェアは、システムに潜むウイルスなどのマルウェアを検出して削除するよう設計されている。PCのキーボード操作を監視して悪用する「キーロガー」、Webブラウザの設定を勝手に変更する「ブラウザハイジャッカー」に加えて、「トロイの木馬」「ルートキット(システムを遠隔操作するためのソフトウェア)」「スパイウェア」「アドウェア」「ボットネット」「ランサムウェア(身代金要求型マルウェア)」などの攻撃からシステムを保護する。(続きはページの末尾にあります)
巧妙化する脅威に対処するために、マルウェア対策ツールは日々進化している。人工知能(AI)機能を取り入れる製品も珍しくない。注目すべき5製品を紹介しよう。
マルウェア対策ツールを使うのであれば、できるだけ自社に適した製品を選定するようにしよう。どのような製品があるのか。5つのマルウェア対策ツールを紹介する。
Apple製デバイス用のサードパーティーベンダー製マルウェア対策製品を導入する場合、どのような視点で選定を進めればよいのか。賢い選び方を整理する。
ランサムウェア攻撃のリスクにさらされているデータセンター。システムを守るための一つの手段として「エアギャップ」がある。どのようなものなのか。
ランサムウェアはバックアップデータも暗号化しようとする。だが何らかのデータ(スナップショットなど)が無事であれば復旧は可能だ。
HP Wolf SecurityはPCに実装されたセキュリティ機能とソフトウェアによってBIOSレベルからPCを保護する。OSにソフトウェアをインストールするだけでは不十分という時代が来るかもしれない。
「Windows Defenderウイルス対策」が自社に合わないと考えた企業は、他のマルウェア対策製品の中から自社のニーズに即したものをどう選べばよいのか。基本的な考え方を紹介する。
Microsoft製マルウェア対策機能「Windows Defenderウイルス対策」は、「Windows 10」を導入していれば無料で利用できる。ただし利用を検討する企業は、メリットだけではなく限界にも注目しなければならない。
教育機関を狙ったランサムウェア攻撃の標的になりやすいのは、「Chromebook」や「iPad」よりも「Windows」デバイスだという。それはなぜなのか。
「モバイル脅威防御」(MTD)はモバイルデバイス管理で一歩先を行くための手法だ。今後導入が広がると予想されるMTD製品とEMM製品を連携させたセキュリティ対策について解説する。
モバイルアプリが常に安全とは限らない。IT部門はブラックリストやホワイトリストによって、従業員の危険なアプリ使用を阻止できる。
「No More Ransom」イニシアチブは、ランサムウェアによって暗号化されたデータを復号するツールを無償で提供している。さらに、McAfeeは復号ツールの開発を支援するフレームワークを公開した。
ランサムウェア攻撃は、通常のデータ損失事案とは異なる。データ保護を手掛けるベンダーの中には、それを念頭に、ランサムウェアに特化した機能を製品に搭載するところもある。
マルウェア対策ソフトウェアは、端末のバックグラウンドプロセスとして稼働するのが一般的だ。PCやサーバ、モバイル端末をスキャンし、マルウェアを検出して拡散を防ぐ。リアルタイムの脅威検出やマルウェアの除去に加えて、システムを監視して潜在的なリスクを探すシステムスキャンなどの機能を含む。
システム全体をスキャンするには、システムへの特権アクセスをマルウェア対策ソフトウェアに許可する必要がある。そのためマルウェア対策ソフトウェア自体が攻撃者の標的になることがある。セキュリティ研究者は近年、マルウェア対策ソフトウェア製品の遠隔操作による攻撃手法や、深刻な脆弱(ぜいじゃく)性を発見している。
マルウェア対策ソフトウェアの基本バージョンを無料で提供するセキュリティベンダーも存在する。無料バージョンは通常、基本的なウイルス対策とスパイウェア対策機能を搭載する。有料版は、より高度な保護機能やオプションを用意する。
以下でセキュリティベンダーが主要なOS向けに提供している機能を説明する。
セキュリティベンダーは、さまざまな「Windows」用セキュリティソフトウェアを提供している。ユーザー企業はMicrosoftの「Microsoft Defenderウイルス対策」という無料のマルウェア対策ソフトウェアを利用できる。
「macOS」を標的とするマルウェアは存在するが、Windows向けマルウェアほど一般的ではない。そのためmacOSのマルウェア対策製品はWindows向け製品ほど機能が標準化されていない傾向がある。macOS向けマルウェア対策ソフトウェアは、システム全体でマルウェアをスキャンして潜在的なマルウェアの脅威から保護する機能や、メールの特定スレッド、添付ファイル、各種Webアクティビティーから脅威を検出する機能などを提供している。
「Android」を標的にするマルウェアもある。Androidデバイスには、マルウェア対策ソフトウェアをインストールした方がよい。セキュリティベンダーは、Android向けマルウェア対策ソフトウェアに、盗難防止機能やリモート位置検索機能など、スマートフォン向けの機能を搭載している。エンドユーザーがWebブラウザを利用する際に、悪意のあるWebページやファイルが開かれたり、ダウンロードされたりするのを阻止する製品もある。