「変更不可能なスナップショット」はランサムウェア対策の切り札になるかVAST DataのストレージOSの新機能

ランサムウェアはバックアップデータも暗号化しようとする。だが何らかのデータ(スナップショットなど)が無事であれば復旧は可能だ。

2021年12月08日 08時00分 公開
[Antony AdsheadComputer Weekly]

 QLCフラッシュストレージベンダーのVAST DataはストレージOS「VASTOS」をバージョン4にアップデートした。同バージョンで追加されたデータフロー監視は、アプリケーションとユーザーのストレージ操作やパフォーマンスを可視化し、将来の使用パターンを予測することで容量計画を可能にする。

 管理機能も強化されている。VAST Dataのサポートチームが使っているのと同じクラウドベースの管理ポータルにアクセスし、ストレージクラスタを監視できる。バイトレベルでパターンを検索するきめ細かいデータ削除機能もある。

変更不可能なスナップショット

iStock.com/maxkabakov

 より重要な機能は、同バージョンで追加された変更不可能なスナップショットだ。

 この機能により、ランサムウェアに対する重要な保護層が提供される。スナップショットとスナップショットのポリシーは変更できなくなり、誤操作による削除や資格情報の窃取を試みる攻撃者から保護される。

 VASTOSの最新アップグレードには、クラウドプロバイダーを念頭に置いたポリシーベースのデータ分離も含まれている。VAST Dataの顧客は各ストレージプールのパフォーマンスの指定やデータの移行とアクセスの制限が可能だ。この機能はマルチテナントで使われるだろう。

 VAST Dataは、NVMe接続のQLCフラッシュを使うバルクストレージによるアレイを提供する。QLCは比較的安価でシーケンシャルI/Oに最適だが、各フラッシュ世代の中では最も耐久性が低い。耐久性の問題を回避するため、VAST Dataは「3D XPoint」層(QLCフラッシュ675TB当たり18TB)でトラフィックをシーケンシャル化する。

 VAST Dataによると、この構成によって得られる経済性と使用パターンはHDDと階層型ストレージに終わりをもたらすという。同社は「HDD階層が絶滅するレベルの事態」と称している。

 オールNVMeフラッシュ構成にもかかわらず、1GB当たりのコストはHDDに「ほぼ匹敵する」とVAST Dataは主張する。

ITmedia マーケティング新着記事

news096.jpg

NIKE vs. HOKA ランニングシューズ市場での熱い戦いの行方は?(無料eBook)
市場リーダーのナイキやアディダスの業績が振るわない一方で、「HOKA」など新興ブランド...

news037.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2024年10月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news037.jpg

「同じCMばっかり」を逆手に ペプシコが実践した超斬新なクリエイティブ発想の意図は?
「Advertising Week New York」では、2024年に米国で話題を呼んだスナック菓子「Lay's」...