炭素排出量の削減は今後の企業価値に直結してくる。ITによる排出量の把握も必須になるだろう。Azureのダッシュボードは排出量を可視化し、排出量削減の取り組みのアピールも可能になる。
Microsoftは、炭素排出量を追跡できるダッシュボード「Microsoft Emissions Impact Dashboard」をリリースした。「Microsoft Azure」のユーザー企業は、Azureで運用している自社のITインフラが環境に与える影響をこのダッシュボードで把握できる。
同ダッシュボードは、Azureの利用による排出量の洞察を月別、サービス別に提供する。特定のリージョンでホストされている自社のワークロードが排出量に与える影響を詳しく掘り下げることも可能だ。「まだクラウドに移行していないワークロードの情報をダッシュボードに入力すれば、そのワークロードをAzureに移行することで得られる排出削減量を見積もることもできる」(Microsoft)
Microsoftは、Azureの利用に伴うスコープ3の排出量の詳細をダッシュボードに加えたという。
GHGプロトコル(訳注)では、スコープ3の排出量は企業がバリューチェーンで行う活動(製造、通勤、ハードウェアの廃棄など)によって間接的に生み出される排出量と定義されている。
訳注:GHGは「Greenhouse Gas」(温室効果ガス)のこと。同プロトコルは3つのスコープで排出量を計算する。スコープ1と2は各1カテゴリー、スコープ3は15カテゴリーに分かれている。
スコープ1は企業が所有または管理する排出源が直接生み出す「直接排出量」。スコープ2はエネルギーや熱の購入に伴って間接的に排出される「間接排出量」を指す。
スコープ3に含まれる活動は最大の排出源であることが多い一方、その追跡や数値化は最も難しいとMicrosoftは述べている。
ダッシュボードにスコープ3を含めることで、ユーザーは「完全で正確な」排出量の取得が可能になり、「持続可能性についてのより適切な意思決定」が実現すると同社は補足する。
Microsoftによると同ダッシュボードのプレビュー期間に多くの顧客が利用したという。その中には情報サービス企業RELXも含まれている。同社はこの機能によってスコープ1、2、3の排出量を監視している。
食品開発企業Bühler Groupもこのダッシュボードを利用し、2030年までにカーボンニュートラルになるという同社の目標の一環としてスコープ1、2、3の排出量を抑制しているという。
「同社はEmissions Impact Dashboardを使ってAzureに関連するスコープ3の排出量を追跡・収集し、スコープ3の排出量のより正確なビューを作成した」(Microsoft)
クラウド利用が環境に与える影響についての洞察を顧客に提供することを考えているのはMicrosoftだけではない。Googleも「Google Cloud Platform」の全ユーザーがサービスの利用に伴う炭素排出量データにアクセスできるようにすることを発表している。
後編ではGoogleの取り組みを紹介する。
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