英ミルトン・キーンズのデータセンター建設プロジェクトやアイスランドのデータセンターから、電力の効率化とコスト削減のポイントを探る。
サーバは頻繁に刷新される。一方、データセンターの設計には2年を要する。従って、そのデータセンターが本格稼働するころには、プロジェクトの構想段階で流通していたサーバの新世代が導入される公算が非常に大きい。
Green Gridは、データセンターのエネルギー効率を追求している組織の1つだ。ミカロス・グリゴラトス氏はGreen Gridの欧州技術作業部会会長であり、HPの重要施設担当事業開発責任者を務める。「データセンターは15年は持たせなければならない。従って、そのライフサイクルを通じて技術の変化に対応できる堅牢な設計が必要だ」と同氏は言う。
企業にとっての現在の課題は、効率的に運営できる設計になっていないデータセンターが多数存在することだ。「データセンターは性質上、実験や急速な変化にはあまり対応できない。極めて保守的な環境だ」(同氏)
商業不動産会社のPMB Holdingsは、古い用地の非効率性に着目し、データセンター市場にチャンスがあると見込む。同社のエドワード・ジョーンズCEOは「旧式のデータセンターは、後何年かすれば容認できない状態になる」と予想する。
新しいデータセンターの建設に際しては、最もグリーンなITを検討することはもちろん、環境に与える影響もプロジェクトの初期段階で検討すべき項目の1つだ。
アンドルー・グッド氏は、英ミルトン・キーンズの新しいデータセンタープロジェクトでPMB Holdingsと組むTFFP Architects社のディレクターを務める。地元当局の計画にかかわってきた経験から、「場所によっては車をあまり使わないことや、自然保護への貢献を求められる。そのために植樹量を増やしてグリーン化を推進することになる」と解説する。
新しいデータセンターの現場では、現場でいつ作業を行うかだけでなく、建設段階での二酸化炭素排出量削減も検討しなければならない。これには建設素材や輸送、重機の二酸化炭素排出量も含まれる。稼働するデータセンターの二酸化炭素排出量に比べれば建設中の排出量は取るに足らないかもしれないが、それでも検討が必要だ。
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