必要な機能をコンテナに集約した小型データセンターシステム「マイクロデータセンター」には、従来のデータセンターや大型のモジュール式データセンターにはない魅力がある。
マイクロデータセンター(MDC)はコンテナ型のモジュール式小型データセンターシステムで、従来型の設備や大型のモジュール式データセンターでは処理できないさまざまなワークロードに対応する。
平均的なコンテナ型データセンターは、40フィートの輸送コンテナに数十台のサーバと数千の仮想マシン(VM)を格納する。これに対し、MDCの19インチのコンテナ1台が格納するサーバは10台未満で、VMは100に満たない。コンテナ型データセンターと同様に、MDCもセキュリティシステムと冷却システムを内蔵し、耐水、耐火機能を備える。
MDCのサイズと多用途性、プラグ&プレイ機能は遠隔地での利用や一時的な導入、さらには洪水や地震のリスクが高い地域に一時的な拠点を置く業務に適している。石油タンカーに搭載してストレージやコンピューティング機能を提供するミニデータセンターとして使うことも可能だ。
業界ではモジュール式やコンテナ型のサーバ利用が増えている。Microsoftのような組織も各種のアプローチを組み合わせて使っている。
企業は、何台ものサーバとストレージ、ネットワーク機器で構成され、調達と導入、メンテナンスを要する従来型のデータセンターを離れて、こうした設計済みでフル機能を装備したシステムにメリットを見いだすようになっている。
こうしたシステムには多様な形式がある。旧来の観点で見たシステムといえば、自前のコンピューティング機能とストレージ機能を搭載し、ネットワークインタフェースカード(NIC)でシステムを外の世界に接続するメインフレームやミニコンピュータになるだろう。より現代的なアプローチは、Ciscoの「UCS」、VCEの「Vblock」、Dellの「Active System」のようなコンバージド(垂直統合型)システムを利用する。こうしたシステムは統合や組み立てが完了しており、既存のデータセンターにすぐ導入して使用できる。ただし必要なスペースや電力、冷却装置が確保できることが前提だ。
もう1つの導入方式であるコンテナ型システムは、
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